書類2
机の上に置かれた書類の束
少し土がついていたり、くしゃっとなっていたり
どこかしら汚れが付いている、昨日窓から投げ捨てた書類の束
「っく! もう人間に掴まるんじゃないと言ったのにまた捕まりやがって」
マナがそんな、愚痴? をこぼしていると、突如書類から声が聞こえる
『君が優しかったから』
(!? 今こいつ、いや、この書類脳に直接!?)
『いつもいつも人間は僕たちを棒で汚してくる、でも、君は違った他の人間と違って棒で黒色に汚さず外に逃がしてくれた』
(お前——)
『そんな、君だからこそ僕がなさなければならないことを安心して任せられる』
『そう、確信して戻ってきた』
大きくない声、いやむしろマナの脳内に直接語り掛けているから周りには聞こえない、されどとてもとうりがよくも清々しい声、だが、マナには届かない
(ん??? こいつ今なんて言った?? 安心してして任せられる? そう、言ったのか? いや、待て言ってなかったとしても言った可能性がある時点でダメだな)
マナは書類を持ち窓へと向かう
そして
ファサッ
と言う音と共にカーテンを開け窓も開ける
「俺の仕事を増やすな」
淡々と淡泊にそれだけ告げて書類を窓の外へと投げ捨てる
前までならここで終わっていたがマナは学習する男
今回は書類を回収されないように
風魔術で遠くへと飛ばす
書類が風に乗り遠くに行ったことを確認したマナは窓を閉め呟く
「処理完了」