夜の散歩
夜道を歩く
黒色のローブを身にまとう魔術師の青年
左側の腰にファルシオンを下げる青年
「風が気持ち良い」
魔術師のマナはそう言い走り出す
だが、マナは急に止まり言う
「もっと風を浴びたいな」
「そうか、ならしばらくこの辺でぶらぶらするか、それならいつか風が吹くだろ」
そう言いグラディウスは歩きだす
だが、そんなグラディウスを無視してマナは斜め上を見る
「いや、いいところを見つけた」
「いいところ? 俺のいいところか?」
「いや、そんなものよりも良い、時計塔の上に行こうあそこなら風も強いだろ……多分」
その言葉の後グラディウスは少し遠くにある時計塔を見る
「時計塔の上って言っても、あれ大体60メートルぐらいあるぞ、中には入れないだろうし、どうやって上るんだ?」
マナはその言葉の後に、人差し指を立て横に振りながら、チッチッチ、そう言う
「全くグラディウスは、こんな時は魔術で飛ぶに決まってるじゃないですか、やだー、そんなこともわからないんなんて、それでも本当に俺の相棒ですか?」
「ああ、分かった分かった、じゃあ、早くしろお前を時計塔まで投げ飛ばしてもいいんだぞ」
「え?」
しばし静寂が走る
「じょ、冗談ですよね、グラディウスも冗談がうまいなー」
マナはそう言うと、あはははは、と乾いた笑いをする
「投げても、魔術で飛んでも、時計塔の上に着けばどっちも同じだろ」
グラディウスがそう言うとマナは何もないところから杖を出して急いで魔術を構築し、放つ
そうすると風が発生し、マナとグラディウスは地面から離れていく