ネグレクトワールドへようこそ
・・・・・・第2次世界大戦終了後、日本国民はリセットした・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして…
団塊世代の人々は皆、向上心と探究心に溢れ、画期的な物を次々に創り出していった。
当然、彼らにとって最も身近な産物である「お子様」の教育にも全力を注ぎ、競って幼い頃から英才教育に熱を注ぎ、自らが叶わなかった一流大学進学の夢を子どもに託す者が続出した。
その結果、育った第二次ベビーブームベイビィ君達は成長期に経験したバブルの影響も受けて、自らが上流の生活を営むことが「妙なること」と信じ、自分が輝く為だけになんとなく努力し、大人になっていった。
そして、「個性」と「多様性」という言葉に助けられ、自己実現を最優先する生き方を多くの者が選択していった。
例えば、ある者は自らのキャリアの為に子どもを持たない選択をしたり。
また、ある者は子どもを創作品とみなし、その為には原材料からこだわり「愛」を忘れたクレイバー精子君の取り寄せまでやってみたり。
そうして苦労して作成したクレイバーベイビィにも関わらず、いざ誕生したら今度は「自己実現」「自分らしさ」の為に夫婦共働きディンクス家庭やシングルマザ頑張りマススタイルを築くとかで、24時間完全保育園に子どもを入所させ、気まぐれに仕事帰りのウシミツ時、お迎えに行って幼子をたたき起こしてみたりして…。
そしてそして出現した「ネグレクトチルドレン」。
彼らは一体どんな特性を持つのか。
この物語は、政府がネグレクトチルドレン対策として大々的に乗り出した政策の一環であるネグレクトリカバリー福祉センター、
「アイクダサイの苑」
での日々の出来事を綴ったものである。
貴方も、この現実を知ったなら、それを自分自身のこととして捕らえ、今日から深刻なこの問題についてもう一度考えてみて下さい。