表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/70

今日一日は、気分に任せて

「ヒナタがいなくなった?」

 町外れの扉のある場所にまた一人戻っていたクロスを見つけたノアからヒナタの報告を聞いて、驚いた表情で聞き返していた

「はい。今、総出で探しているのですが、見当たらないそうで……」

「そうか……」

 そう呟くと、無言になり考えはじめたクロス。一つため息をつくと、ノアの方に顔を向けた

「アカリはいるのか?」

「はい。レイナ様と一緒にいます」

「そうか。それは良かった……」

 ホッと胸を撫で下ろすが、すぐにまた険しい表情になってノアに問いかけた

「本も一緒に消えたのか?」

「はい。たぶん持っていったのかと思いますが……」

「なら、ヒナタの居場所は分かるな。しかし、いつかはここにたどり着くだろう。それは、困ったな……」

 また一人悩みだしたクロスの姿を、ノアは少し不安げに見ている



「クロス様。やはり、これ以上は……」

「まだ大丈夫だ。それより一度帰ろうか。本が欲しいし、アカリの顔も見たいからな」

「わかりました……。では、ヒナタ様は……」

「あの本が一緒なら大丈夫だ。それより、アカリと書庫に置いた本の方が良くない。早々に帰ろう」

 ノアを置いて、先に入り口の方へと歩いていく。少し遅れてノアも一緒に扉を開けると、クロスやノアが来た時とは違い、外は明るく太陽が出ていた

「今日は天気が良いみたいだな」

「ええ。今日一日、天気が良いそうですが……なにか?」

 暗かった場所から一転して日差しを浴びて、嬉しそうにノアに話し掛けていると、その眩しい日差しにノアが目を細めながら返事をした時、一瞬吹いた強い風にクロスがクスッと笑った

「いや、こんな日はきっと素敵な唄が聞こえると思ってな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ