シルガのレポート
本書は研究者シルガ・ハーブラッドの書いたレポートの独自性が強く分かりにくい表現を改稿したものである。
また本書における統計方法などは不明であり、筆者並びにシルガ・ハーブラッドの主観が大きく入っていることを留意してから読んでいただきたい。
1.人間
この大陸において支配的地位を占める種族。
平均身長……男性:170cm前後 女性:155cm前後
平均体重……男性:60kg前後 女性:50kg前後
平均魔力量……100(一般的な人間を100とする)
平均身体能力……100(一般的な人間を100とする)
群れの規模……150人〜2000000人以上
概要:この大陸で最も多く、広く生息する種族。その数と食性の豊かさ、文化の多様さは類を見ないほどであり、他種族が生息不能な場所においても大規模な街や国を作るなどをしている。
性格は個々では温厚なものが多いが、仲間意識や縄張り意識の強さから群れとして見ると残忍で凶暴である。
農耕が多く見られ一箇所に何代にも渡って定住しているものが多い。
繁殖行動は他種族に比べて活発であり、性欲が強いものが多く、それが群れの大きさに影響していると思われる。
また性欲の強さのせいか、あるいは数が多いからかは不明だが、多くの場合、異種混血は片方が人間である。
2.獣人
亜人(差別用語ではあるが元の文書においてそう記されていたためそのまま残す)の中では最も数が多い。厳密には○○の獣人のように別種族であるが本項ではひとまとめにする。
平均身長……小型種男性:145cm 小型種女性:140cm 中型種男性:170cm 中型種女性:160cm 大型種男性:190cm 大型種女性:180cm
平均体重…… 小型種男性:50kg 小型種女性:45kg 中型種男性:65kg 中型種女性:60kg 大型種男性:90kg 大型種女性:80kg
平均魔力量……35
平均身体能力……150〜450
群れの規模……50人〜1000人
概要:人間に獣の耳と尻尾を付けたような容姿の特徴を持つ亜人。多種多様な人種がおり、似ている耳と尻尾をしている動物に近い生態を持っている場合が多い。
食性は雑食だが、草食獣に似た獣人は植物を、肉食獣に似た獣人は動物を好んで食すことが多い。
種族にもよるが群れの規模は人間のものより小さく、大きい群れであっても人間の小型の町よりもさらに小型である。
基本的に人間よりも性的な欲求は弱い場合が多く、また異種族を性的には苦手とする場合が多く、犬と猫の獣人の混合の群れなどがあった場合でもほとんど混血は発生しない。これは文化的な側面があるわけではなく単に性的な好みの問題である可能性が高い。
また、種族によっては発情期と呼ばれる周期があり、その場合は人間と同等以上に繁殖活動をする。
3.魔族
人間の敵対的種族(歴史的に見ればであり、必ずしもそうではない)であり、高い戦闘能力を誇る種族。
平均身長……男性:175cm 女性:145cm
平均体重……男性70kg 女性:40kg
平均魔力量……110
平均身体能力……100
群れの規模……1人〜50000人
概要:数はそれほど多くはないが大きな知名度を持つ種族。黒い髪と赤い眼、それに頭部から伸びる角が特徴的。
食性は雑食だが、農耕はほとんど行わず採取と狩猟を主としている。
戦闘においてとても強いという印象を持つものが多く、事実として強力な力を持つものが多いが、特別に魔力や身体能力が高いわけではない。
瞬発的な力は魔力、身体能力共に他種族の追随を許さないが、反面持久性には欠けておりバテやすい。
農耕をあまりしないのは不向きだからだろう。
性格は個人主義的なものが多く、他者との深い関わりを苦手にするものが多い。また親しいもの同士であっても会話が少なく行動を共にすることは少ない。
繁殖行動は人間と比べて著しく少なく、生涯の出生数も少ない。権力者であっても伴侶がいないことは珍しくなく、複数の伴侶を持つ者は人間に比べて少ない。また離婚等は基本的に行わない。
種族として男女で体格差が大きいためか、あるいは他者への警戒心が強いためか、男性魔族は幼い少女を性的に嗜好する場合が多い(要検証)。
4.エルフ
人間の五倍以上の長命を持ち、調和と叡智を司る種族。
平均身長……男性:160cm 女性:160cm
平均体重……男性:50kg 女性:50kg
平均魔力量……350
平均身体能力……100
群れの規模……200人〜1000人 ※これはエルフのみの群れの規模であり、人間の群れの中にいることはさほど珍しくはない。
概要:人間の五倍以上の寿命と高い魔力を持つ種族。長く尖った耳と金の髪と白い肌が特徴的。
雑食ではあるがタンパク質はあまり摂らず、それでも大丈夫なほど代謝が低く体温が低い。
高い魔力と豊富な知識で強力な魔法使いとして活動する場合が多いが、稀に長い寿命を活かして長時間の武術鍛錬を行い戦士となるものもある。
基本的には豊かな森で採集を行なって生きるが、人間の群れに紛れて生活をするものも珍しくなく、その場合、長命のために地位を築きやすく高い地位にいることが多い。
男女での性差が少ないためか、エルフ女性は同族・他種族の女性に対しても異性に対しての感覚と似たような感覚になることが多く、他種族の異性は姿形が違いすぎるという感覚に陥りがちである。
また、他種族と関わる際には幼年の物と親しくなり、それから成長を待つことが多い。
5.小人
手先の器用さが特徴的な幼い容貌の種族。
平均身長……男性:140cm 女性:135cm
平均体重……男性:35kg 女性:30kg
平均魔力量:150
平均身体能力:60
群れの規模:不明(特殊な事情がない限りは他種族(主に人間)の群れの中に生息しているため)
概要:幼い少年少女に似た容姿で成長の止まる種族。基本的に人間の子供と見分けは付きにくいが有識者ならば見分けることは可能。
基本的には人間とさほど変わらない生態をしているが魔力は多く魔法使いの素養があるものが多い。
人間の群れの中に生息しているものの混血は非常に珍しい。小人からすると大人の人間は大きく容姿が異なる種族として見えるため性的な欲求の対象外、人間の子供は容姿は近いが生殖能力が低いためであると思われる。
また小人同士の仲間意識や群れ意識が強く、人間の群れの中にはいてもそれほど親密にならないことがほとんどである。
〜中略〜
混血についてだが、当然ながら発生しやすい組み合わせがある。生活域の近い人間とエルフ、常に対立しているため関わりが出来ている人間と魔族など、である。
そういう文化、歴史的要因がない場合(多種多様な種族による自由恋愛など)においては獣人の男女、魔族の女性、エルフの男性が伴侶を持つ割合が高い。反対にエルフの女性と魔族の男性は生涯未婚である場合が高い(要検証)。
これは性的に倒錯のしやすさや、他者との関係性を持つことへの不得手などからだと思われる。
(個人的には他者に怯えがちな魔族の特徴は可愛らしいと思います。)
著者:シルガ・ハーブラッド
編集:カルア・ウムルテルア




