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疫病なりしは世界に在りて  作者: 萩原 春市
1章・蒸気の国スティルシア
2/2

愚か者、異世界に来る

 

 この世の全てが自分を中心に回っているのだ。子供の頃から欲しいものはなんでも手に入った。我儘を言えば親は言うことを聞いてくれた。

 家では僕の事が何よりも最優先とされ、僕の気を悪くさせた人間は家から追い出される事は当たり前。

 だから僕の楽園を汚す人間は誰も立ち入れない。僕が「やめろ」と一言、それだけで親は邪魔なモノを排除してくれる。

 名門学校に入学した時もそうだ。僕の態度が気に入らなかったのか、喧嘩を売ってきた子は翌日には学校から来なくなっていた。僕がクラスメイトの女子を召使いのように扱い、それを叱った教師はある日を境に何かに怯えるようになり、そして自殺した。

 それは中学校へ進学後にも続き、自分は王なのだと。僕の発言1つで人の人生を決められるのだと笑った。

 親の権力と財力は自分の力であり、世界とは自分を中心に回っているのだ。自分の言うことは世界の常識、自分の敵は世界の敵。

 だから僕は強い、この世の誰よりも強いのだ。自分さえ良ければいい、世界は自分の人生を楽しませるだけのものに過ぎないのだから......。


 アア、、クダラナイ、、ジツニクダラナイ、、ナンテオロカナ、、ゴウマンナニンゲンダ、、オマエハコノヨニトッテガイデシカナイ、、ナラバ、、ソノクダラヌジンセイヲウバッテヤロウ、、、、


 ......え。

 ............何処だここは?


 ある日、いつもより煙が濃いこの街に、1人の人間が異世界より迷い込んだ。

 救いようのない腐った腐った愚か者が。


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