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朽ちた校舎でよくあること  作者: ツヨシ×高山由宇×IDECCHI51
2/7

第2幕

 旧校舎へ潜入する日は間もなくやってきた。普通なら関係者以外立ち入り禁止なのだが、用務員のTさんがうまいこと話をつけてくれたらしく、ほぼ貸し切りの状態での潜入になった。


挿絵(By みてみん)


 Tさんは50代になる用務員さんで、意外と気さくな性格をした人だ。冗談も好きらしく、Y先生は最初、A君たちの目撃情報の話をTさんの冗談話と感じていたらしい。しかし終始真剣に話すTさんの姿にそれはないと確信したようだ。



 従兄達が旧校舎グランド入口に到着するちょっと前からTさんはそこで待っていた。笑顔で嬉々と挨拶するTさんはいつもと変わりない。しかし目撃した時の話をした途端、その目は緩まなくなった。



「いやぁ……私も目を疑ったよ。なんせ行方不明になったと聞き、数日しての事だったからね。もの凄い笑顔でグランドを走り回っておったわ。声をかけようと思ったけど、そのまま旧校舎に入っていったからね。なんか凄く怖かったよ……」

「それ、本当にA君なのです?」

「間違いないよ。掲示板で貼られていた写真の顔とまったく同じだったから」

「…………あ」



 Y先生は急に旧校舎のほうを指さした。彼女達の数十メートル先にC君の姿があったからだ。一瞬の驚きに言葉を失う一同、だけど従兄は躊躇いながらもその声を発した。



「Cか? Cだな! 先生達、探しにきたぞ!!」



 C君は何も答えなかった。ただその顔は不気味なぐらい目も口も吊り上がっておかしい笑顔をみせていた。C君は手を挙げて手を振ると、そのまま旧校舎の中へと凄い勢いで走っていった。従兄は「おい!」と声をだすだけで精一杯だった。



 一瞬の奇妙すぎる出来事に呆然とする一同、だけどすることは決まっていた。



「C君を追いかけましょう」



 従兄達一同は暗闇に聳え立つ旧校舎の中へと入っていくことにした。



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