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近未来SF短編集 in United Corporation of JAPAN  作者: あのワタナベ
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警察

「ダメだよ、酒とクスリキメてオートモビリティ(クルマ)運転しちゃ」

「すみません、仕事で疲れてたんで」


 警官がタブレットに何かを書き込んでいく。タブレットのバックライトに照らされて疲れた警官の顔が浮かび上がる。警官の網膜にアラートが表示されている。

 無言でスキャナを男の手首に押しつける。

 ピッという音と共に男の顔写真とID、付随情報がタブレットに表示される。


「じゃ、ここに認めのサイン書いてね」

「この罰金(ポイント)額はきついですよ。なんとかまかりませんかね」

「まかりませんね。もうスピードオーバーも血中濃度も記録されちゃってるから」


 渋々とペンを受け取りサインをタブレットに書き込む。

 ポーンという音と共に支払い完了の表示。


「はい、それじゃ気をつけて帰ってね。事故とかおこさないように。

 自動運転って言っても、最終判断と責任は運転者にあるんだからね」

「はい」


 この世の終わりとでも言いたげな表情の男。

 黙って運転席に乗りこみ、ドアを閉める。スタートボタンを押すと自動的にオートモビリティが自宅に向かい始める。警官の網膜にアラートが表示されている。


「それじゃご迷惑をおかけしました」

「はい、お疲れさま」


 男の乗ったオートモビリティが遠ざかっていく。それを見ながら首元の貼付薬(テープ)を張り替える。警官の網膜に表示されていたアラートが消える。


「説教する側が似たようなもん使ってるんだから世話ないよな」


 午前零時。業務終了まであと6時間。まだまだ勤務は続く。


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