347話その道を正すため
「さっきからそうだ。自分が誰にも理解されてないみたいな言い方しやがって、本当に理解されてなかったのは...クミルじゃねーのかよ!」
心のそこからの感情。それが感じ取れる程、ミツキの言葉は本気で訴えかけてきた
周りの人間からは、私といるだけで責められ、一番近くにいた私がその事に気づいてあげられなかった...
私が状況を作り、私が悪化させた...本当の被害者は...
「私が...」
「誰のせいでもねぇ!なるべくしてなった運命だ。誰が関わっていようと、あの状況でこの現状以外の状況は作れなかった。たとえお前が気がついていようと、あいつはこの道を選んでいた」
「そんなの分かるわけ」
「分かるんだよ。理由は簡単だ...恨みがお前に向いていなかったからだ」
彼女は言っていた。私をバカにしていた奴らを、この力があれば殺せると...
その中に私は...入っていなかった?
「やっと...気がついたか」
「うわぁぁ!」
感情が一気に溢れかえる
体に力が入らなくなり、膝から崩れ落ちる。私は...長い間ずっと勘違いをしていた
『君はいつも被害者だ。君に向ける言葉はこれで十分さ』
『全く...君は気づいてくれないよね。いつまでも』
彼女は最初から全て言っていた。背負い込んでなどいなかった...夢の中で言われた言葉の一つ一つが胸に刺さる
「それなら...なおさら私は彼女の道を正さなければいけない。彼女が選んだ道を、今度は私が彼女に間違っていると伝えるため」




