3話職との契約
今回は少し長めの内容となっておりますどうぞ最後までご覧ください!
「よし!ついたぜーここが王都ルクセントルクのギルドだ!」
「ルクセントルクの?町ごとにギルドがあるんですか?」
「まぁそうだな。大抵の町にはあるぜ」
また新しいことを言われ、自分でも引くぐらいの速さでメモを取っていく。それを横目で見るミツキは、くすっと笑いながら歩いていくと、突然止まって顔に手を当てて下を向く
「あ、しまった...」
「どうしたんです?」
「ここのギルドマスターはすごい食通でな、新しく入る冒険者が何か差し入れしないとすっごいテキトーにやることで有名なんだよ」
そんな人が管理者でいいのだろうか...持ち物を思い出し、何かあっただろうかと考えるとバックの中におにぎりセットがあったことを思い出す
「これじゃダメですかね?」
「なんだこれ?見たことはないが...まぁダメはもともと行ってみるか!」
「ダメだったらどうするんですか?」
「その時はその時だな」
ギルドの中に入ると、正面にはカウンターと丸机と椅子が置いてある。そこには料理やお酒、何か紙のようなものをじっと見つめる男性や、酒を飲み合う女性や男性がいてどちらかというと酒場に近かった
「とりあえずギルマスは2階だ。そこの脇の階段を上がって中央の大きな扉の中にギルマスがいる。そこで差し入れを渡して気に入れられればギルド加入完了だ。それじゃあ行ってこい!」
「はい!」
緊張から大きめの声を出してしまう。少しびっくりした様子のミツキを横目に、階段を上がっていく。中央の扉が目の前に立ちはだかると、緊張が一気に体を巡っていくが、その緊張を抑えるように拳を握ってから、大きな扉を開ける
部屋の中には、ジョッキを片手にクリップで止められた書類を眺めて難しい顔をしている三十代くらいの男性が居た
「お、あんた新入りか?俺の名はルーカス。ここのギルマスをやっている者だが、あんた名前は?」
「自分はルクスと言います!このギルドに入るために来ました、これは差し入れです!」
「お、話が早くていいねぇ。ちょうど小腹が空いてたんだどれどれ...なんだこれ?初めて見るなぁ。まぁ料理は見た目だけじゃないってね。いただきます!」
ルーカスの口に一口目が入る。更に、二口目が口に運ばれていく。三口目からは、今までよりも早く口に運ばれていき、すぐさまおにぎりセットの容器が殻になる
「ごちそうさまでした。いやー!素晴らしかった。よし冒険者ルクスがギルドに入ることをしっかり認めよう!だが...その前に職業を決めなくてはな」
「見抜いてたんですか?!」
「そりゃ何年も冒険者見てればヴァンデラーかどうかぐらい一目でわかる!まぁとりあえず職業の説明から、職業にはプリースト、ウォーリアー、アーチャー、マジシャン、シーカー、アルケミストの6個の下級職がある
そこから上級職、最上級職とある。ちなみにこの俺はウォーリアーの最上級職サテリィングウォーリアーだ。上級職まではレベルを上げ、ギルマスを訪ねればなれる。しかし、最上級職はそれにあった上級職を最高レベルまで上げてすべてのギルマスを訪ね、試練をクリアすれば最上級職になれる
ちなみにレベル制限は下級職が50、上級職が70、最上級職が200となっている。かといって下級職から上級職になるからといってレベルがリセットされる訳でも無い。それは上級職から最上級職も同じことだ
あとは、レベルの上げ方だが、モンスターを倒していくと今から渡すギルドカードが倒したモンスター勝手に記録してくれる。その倒したモンスターに適した分だけ、経験値というものが貰え、レベルが上がる。まぁそれによって身体能力が上がったりするわけじゃない。レベルっていうのは言えば、許可書みたいなもんだ。許可書のレベルが高ければ、色んな場所に行けたりする...みたいな感じだな。っと、説明が長くなってしまったがそろそろ転職を始めようか」
これでこの世界でちゃんと暮らしていけるかが決まる...ちゃんと戦えるのだといいんだけど...なんて不安を抱きながら、ルーカスさんに言われた通りのことをする
「それじゃあいっちょやりますかぁ」
「お願いします」
「汝、職との契約を結ばんとするもの。我その願い聞き届け汝の素質を見抜きこの職を与えん!ルクス!お前の職業はこれだ!」
突然部屋が光に包み込まれ、数秒経ってから目が慣れてきて視界がもとに戻ると、目の前には一つのカードがふよふよと浮いていた
「それはギルドカードだ。職業ごとのスキルを覚えるためにも必要な物だな。それと、身分を証明する物としても使える。それの右上に職業が書いてある見てみろ」
「えーと...アーチャーって書いてあります。どういう職業なんですか?」
「アーチャーは遠距離では弓矢、接近ではダガーが強くなる職業だな。さて無事にアーチャーになったところでだ人にはそれぞれ固有スキルと奥義があるんだ、奥義はまだ未開放だがスキルは解放ささってるだろ?スキルって欄に書いてあるはずなんだがな」
「スキルの欄...???なんですけど」
「なに?ちょっと見せてみろ...本当だ...お前、自分に関する情報例えば名前とかがわかんないんじゃないか?」
「...恥ずかしながらその通りです。ルクスも本名ではありません」
「やはりか...まぁだが心配することは無い。自分の本名を思い出せばしっかり使えるようになるだろう。まぁその間はスキルは発動しないとわからんままだが、ギルド一丸となってルクス、お前を全力でサポートしていくつもりだからな」
「はい...よろしくお願いします」
無事に転職は出来たものの、いまだに不安は心から完全に消えたわけでは無い。しかし、ルーカスさんの言葉を聞いていると何故か、懐かしい感覚を体験する。その感覚に背中を押され、俺は部屋から出ていった...
「現れたか...コレで何度目だろうな。今度こそは死なせねぇ。あいつとの誓いを守るために」
やっと職につけた「ルクス」でしたがまだまだ波乱の予感ですね。まぁ波乱の予感が無かったらこの小説終わっちゃうんですけどね(笑)
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