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ifの世界から来ましたが  作者: 篠宮花袋
七巡目の世界・解放
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252話どうしても分からない

「皆さんおはようございます」


相変わらずリンドブルムの気配は、一切感じられない。挨拶をするたびに『本当にここにいるのか?』という疑問が、頭をよぎっていく


「びっくりしました...まさか気づかれるとは」

「なんとなく分かったんですよ」

「なんとなくで分かるほど、ぬるい訓練はしてないはずなんですがね...」


ぬるい訓練はしていないと言っているが、逆にどんな訓練をしたらここまで気配を消せるのか知りたい

クラミスさんのぬるくない...かなり過酷なものなのだろ


「そんな...ことより...作戦の...説明」

「あ!そうでしたそうでした。このあとは...」


北門に向かう予定を聞き、全員がバラバラにその場から離れていった



「よう。お前らも一緒なのか?」

「どうもルーカスさん。はい、自分たちも一緒です」


同じことを言った。しかし、やはりルーカスさんは笑わずに、悲しげな表情を静かにこちらに向け続けるだけだった


「...やっぱり気づかれますか」

「当たり前だ。一回...いや二回は死んでるだろ?」

「はい。一回目の時も見破られました」

「だろうな。前にも言われたと思うが、同じこと言ってたとしても心の中までは一緒に出来ないんだ。だが...何かが吹っ切れたみたいな顔してるな」

「そこまでお見通しですか。前の俺って、死ぬたびにそんな酷い顔してたかなぁ...」


自分では気づけなくても、周りはすぐに気づくほど酷い顔だったのだろう

吹っ切れたのは確かだが、顔を見ただけで気づけるものだろうか?いやそれよりも、心の中までは変えられないみたいだなって、心の中でも読めるのか?

一つ、また一つとルーカスさんに対する疑問が増えていく。本当に何者なんだ...この人は


「それはそうと、真名開放もう習得したみたいだな。アドバイスは...もう前の俺が言ってるか」

「はい。使って慣れろって一回目のルーカスさんが。二回目のルーカスさんも、同じようなこと言ってましたよ」

「そうか...死なない程度に使っていけよ?」


やっぱり...心の奥底が南京錠でしっかりと閉じられているようなこの感覚。だけど手持ちの鍵では、その南京錠を開けることは出来ない

二回目でも解けない謎...何回ルーカスさんの表情を見ても、自分で納得出来るような答えは浮かんでこない


「ルクス?どうしたんだ」

「ちょっと考えごとしてただけ。気にしないで」

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