157話スキルの練習と手合わせと・再戦その六
「今回はさっきのとちょっと違いますよね...火の魔力を操ることはルクスさんには出来ないはずですから」
「その通りです。なので、今回は闇の器に火の魔力を混ぜ合わせたんですよ」
「闇の器に?」
「はい。纏わせておいた闇の魔力をダガーから形を保ったまま切り飛ばし、離れる瞬間飛ばす斬撃に溢れ出でいる火の魔力を集めて、斬撃の形の闇の魔力の中に詰め込む。そして、クラミスさんがその斬撃に近づいた瞬間、闇の魔力を消すと中に詰まっていた火の魔力は一気に溢れ出し空中で火を噴くっていう事です」
「なるほど...二度、同じ手にかかってしまったということですか。このままじゃ、負けてしまいますし...私単体で行ったほうがいいかもしれませんね。戻ってください、阿修羅ちゃん」
「分かりました。主よ、お気をつけて」
闇の壁の反対から見えていた阿修羅ちゃんが、小さな光となってクラミスさんの中に戻っていく
「なぜ阿修羅ちゃんを?」
「彼女はあのままだと動けないんですよ。一度、人型に戻ってから動くのですがそんなことしてたらあなたに撃ち抜かれて、阿修羅ちゃんとダマスカスに傷が出来てしまいますからね。それに、私の本気を出すためにもマナの負荷は少なくしておきたいので」
「まだ本気じゃなかったんですね...」
「えぇ、簡単に本気なんて見せられませんから。でもご安心を。今からは本当に殺す気持ちで行くので。水神繰乱!」




