第1話
目が覚めると知らない場所にいた。森の中の大きく開けた場所のようだ。
全くここがどこかわからない。最後に覚えているのは、友人に誘われ始めようと思っていたサバイバルゲームのために「ドラグノフ」というトイガンをかってはしゃぎながら変えているところまでだ。家に帰りついたかはわからない。今わかることは今にも襲ってきそうなオオカミに似た生物に囲まれ命の危機に瀕していることと、上下のジャージに素手と某青いスライムにすら苦戦すること間違いなしであることのみ自分の装備がのことだけだ。
とりあえず上のジャージを脱ぎ左腕に巻きつけ腕の防御力をあげる。
その生物を睨みつけてみる。それと同時にその生物は強く地面を蹴りこちらへ向かって跳躍し噛み付いてきた。とっさにジャージをまいた左腕で防御する。
ポキャッ!
防御した腕が面白い音を立てて折れた。かなり痛い。
折れた腕ごとそいつを思い切り地面へたたきつけ、何度もけりを入れる。
やっと離してもらった左腕はその生物の唾液と自分の血でぐちゃぐちゃになっていた。ちぎれなかっただけましだが右腕はもう使い物にならない。
腕ってどこかで折れても治るものなんだろう。さすがに血ぐれちゃったらもう無理かな?
そんなことを考えてるうちにその生物は立ち上がった。
殺す気で20発は蹴ったはずなのに元気なようだ。
目は血走り、口元には俺の血がべっとりとついていた。
左腕から血が一滴落ちる。
その瞬間、その生物が一瞬で高く跳躍する。
目でそいつを追い残った右腕を振りぬく。完璧なタイミングで放たれたこぶしはしかし相手に当たることはなかった。
気づいたら目の前には空があった。貧血で倒れたのだ。理由は明白である。左腕からの出血のせいだ。
奴は俺の首元へ向け大きく口を開いている。腕は動かすことが出来ず指をぴくぴくさせることしかできない。
死んだ。と思ったした瞬間。一発の銃声がして奴の頭がザクロの様にはじけた。
貧血で薄くなっていた意識が一気に覚醒した。
銃声のした方向を首だけでみるとそこにはかわいいワンピースを着た同い年ぐらいの女性がライフルをもって立っていた。銃口に魔方陣のようなものが見えた気がしたが多分気のせいだろう。魔法なんてあるわけないしよく見たら俺が買ったドラグノフだもの。
女性がゆっくりと歩み寄ってくる。近くで見ると美しい顔立ちをしており左目にはに服装に合わない眼帯をしている。
すぐ近くまで来て、彼女が何かを口にしようとした途端とたん強い風がふきワンピースの裾がめくれる。
「白...。」
次の瞬間、頭に強烈な一撃をくらい意識を刈り取られた。