表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

注目の少女

朝食の席、いつもの和やかな雰囲気とは違い冷たい空間が流れている。


「何で怒ってるんだ?」

「別に怒ってませんよ」


昨日、置いて行った事をまだ許されてないらしい。あの場では解決したかの様に思われたのだが、今の雪を見たら一目瞭然でかなり怒っている。


「その、置いていってすまなかった。」

「次からは私も連れてってくれる?」

「約束するよ雪も連れてく」

「約束だよ。次は本当に怒るからね」


いつもの和やかな朝食に戻っていく、毎回こんな事していたら死んでしまいそうだ。

昨日俺達は〈グレートバッファロー〉を狩り終え、その日は解散する事になった。俺と大和なら徹夜で続けるのだが、流石に年頃の妹を徹夜させる訳には行かない。


「ご馳走様でした。先にやってるな」

「私もすぐ行くね」


朝食を食べ終え、すぐさまログインする。そこは昨日落ちた場所、大和にチャットを飛ばし、遅れて来た雪と共に合流する。


「邪魔したか?」

「知りたい事終わったから大丈夫だよ。それより二人ともこれ食べてみて」


手渡されたのはシンプルな焼かれた骨付き肉、言われるがままに口につけてみる。


「美味いな...」

「美味しいです」

「昨日倒したバッファローから出た肉を使ってるんだよ。」


思った以上に美味い、ゲームの中で初めて食事をしたが、味を感じ取れるのは大きいし、Level10でこんなに美味いのなら最高Levelのモンスターの事を考えると食べてみたくなるな。


「生産系職業か、羨ましいとは思うんだけど、俺はやらないな雪は何かやりたいのあるか?」


サブ職業は戦闘職業とは違い主に生産系を中心とした戦闘以外での行動を基本としている。

生産系は地道な努力と積み重ねが大切なので、どのゲームでも俺はやっていない。


「お兄ちゃん達に回復薬とか作ってあげたい。」


おぉ妹よ、何て良い奴なんだ。お兄ちゃんが屑野郎に見えてくるぞ....


「だったら薬術師だね、メニュー一覧のサブ職業から薬術師を選べばとりあえず完了だよ。」


大和に促されるまま雪が操作し薬剤師を会得した後、いつもの様に狩場に向かう。

狩場は昨日より人が増え、MOBの取り合いにはならないが、効率は思ったより良くない。多分、昨日東に行った人達が北に流れ込んで来ている。


「少しだけ狩って町に戻るか」


Level4になるまで狩ろうと決め、モンスターを着々と狩っていく。Levelが上がったのはそれから1時間ぐらいした時だ。俺達は町に戻り、一度解散し個人行動する事になった。

大和は料理人、雪は薬術師についてやってるが、俺はサブ職何もとってないのでやる事がない。今から1人で狩りに行ってもそんなに効率良くないしな。

やる事がないので町をぶらつくか。


〈ウォォオ〉


町の広場の方から、歓声が聞こえてくる。何かあったのか?声にした方に歩いていく。

広場につくと何か囲む様に群がっている。外からでは何も見れない、見る好奇心を抑え切れず俺も人を押しのけ入り込んで行く。最後の人を押しのけ前に目を向けた所で中心に居る者と目があった。

そこには槍を背中に背負った美少女、金髪の髪、青い瞳、整った顔立ち、気品高さを感じさせる様な姿だった。


(勧誘か....)


槍を使う職業はそんなに珍しくない、レア職業じゃないとしたら、この周りの人達はなんだろうか、きっとこの美少女を我先にとPTに誘っているのだろう。ご苦労様、期待はずれの晴人は肩を落としその場を離れていこうとする。


「待ちなさいそこの男、」


声のした方に振り向くと集まってた人達が避けるかの様に裂かれ道が出来そこに悠然と歩いて近づいてくる。


「あなた、私とパーティーを組みなさい」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ