風邪とポンと俺
最終話です。
熱が出た。ダルい……
幸い、今日は休みだ。思う存分寝れる。
「はぁ……」
「ニャー」
ポンが、俺の顔を覗き込んでいた。
……こっち見んな。
「ウニャ?」
「うつるぞ。あっち行けよ……」
「ンニャ?」
コイツ……わかってねえ……
「ナーン」
「なんだよ……」
「ンナ──」
ポンは一鳴きすると、行ってしまった。
…………。
「別に……寂しくないし……」
目を閉じる。
いっぱい寝て治さないと……学校、あるし──
ぼんやりと、意識が夢の世界に入ろうとしたとき──
「ヌァー」
ポンの声がした。
ザラザラした舌で、頬を舐めてくる。
「心配してんのか……?」
「ニャー」
「わかんねぇよ……」
ポンを撫でる。
ポンは頭をすり寄せてくる。
可愛いな……
「うつったら、大変だから……あっちいけ」
「ヌァン」
「行けって……」
「ニャン──」
ポンが布団に入ってくる。
「ダメだって──」
「ゴロゴロゴロゴロ……」
ポンは俺の胸の横あたりで足をフミフミすると、丸まって座った。
「……うつってもしらないからな──」
「ニャン」
ポンは丸まったまま鳴いた。
……なんだよ──
「フー……フー……」
ポンは寝てしまった。
「…………」
ゆっくり撫でる。
耳がプルプルっと動く。
「ありがとな……」
どうせ、聞こえてないし──
「ンニャ……」
聞こえてた───!!
でもまあ……いっか……
俺は、ポンに手を乗せたまま眠った。
久しぶりに、ポンのぬくもりを感じた日だった。
次の日、ポンが無性にくしゃみをしていたのは、花粉症だと思いたい……。
最終話でした。短かったですが、ありがとうございました(_ _)
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