外出
猫を飼っている方には不快だと思われる表現があるかもしれません。
なので、ご注意ください(_ _)
「あれ? ポンは?」
部屋の中に見当たらない。
「え? 一緒じゃなかったの?」
「え?」
「今朝から居ないのよ。てっきり達紀と一緒に学校行って、そのまま散歩してるのかと思った──」
と母さんは頬に手をあてがう。
「ご飯は?」
「帰って来てないのよ。入ったまま……」
「お腹空いたら帰って来るでしょ」
「だといいんだけど──」
……なにしてんだよ。ポン──
あ、別に心配してるとかじゃないから。そこんとこ勘違いしないでね?!
「……宿題しよ──」
自分の部屋に入って、ノートを取り出す。
…………。
「あ〜」
なんか落ち着かない。
何か飲もう、うん──
「母さん、ジュースある?」
「……ねえ」
「ん?」
母さんは、野菜を刻む手を止めずに話し出す。
「猫って、死に際になるとフラッと居なくなるって聞いたんだけど……」
「え……?」
「ないわよね、ポンに限って──」
……。
「ちょっと走ってくる──」
そんなこと言われたら……気になっちゃうじゃないか。
玄関で靴を履いて、出ようとした時だった。
「ニャー」
「ポン──」
「えっ!?」
後ろからポンと母さんの声がして、急いで靴を脱いで部屋に戻る。
そこには、いつものようにふてぶてしい顔をしたポンが、前足で頭をカシカシしていた。
「ポン〜!!」
「ニャア」
「ニャアじゃないよ! バカ──」
「ミギャ?!」
もがいたって離さないぞ!
しばらくするとポンは大人しくなる。
「ニャン……」
「反省してんのか?」
「ヌァ〜」
ペロペロと頬を舐めてくる。
舌がザラザラしている。
「ニャン──」
反省はしているらしい。
とりあえず、今日は一緒に寝る。
それで許してやるとしよう──
どうだったでしょうか、
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