胸の上
やっぱり重いのでしょうか。
「ただいま〜……疲れた──」
部活が終わり、居間に寝転ぶ。
「ちょっと、汚れ物出してよ」
母さんの声が遠くに聞こえる……
「もう……次は自分で出しなさいよ──」
はーい。と返事をしたつもりが、あまりにも眠くて声にならず、そのまま仰向けで寝てしまった──
「ふ……ん?」
何かが、胸の上にいる……少し苦しい──
「ナ〜ゴ」
お前かぁぁぁ! お前しかいないけど!
ポンが胸の上でくつろいでいた。
「おい……降りろよ」
「ニャン?」
「ニャンじゃねぇよ。降りろって」
「ヌァー」
「……」
ダメだコイツ──
「……プー……プー……」
「ちょっと? ポンさん? 寝てない? ねえ──」
「……プー……プー……」
「勘弁してくれよ……!」
ポンは、気持ちよさそうに寝ている。
動けないじゃないか!
あ。母さんがいた。
「母さん?」
「何ー?」
「ちょっとポンどけてくんない?」
「ええ? 自分でどかせばいいじゃない」
「違う、俺の上で寝ちゃったの」
「はぁ? あらま。わかったわよ──」
母さんがリビングから来て、ポンを抱き上げ──
「ちょっと、ポン離さないんだけど……」
ポンは、俺の服を掴んでいた。
「いいんじゃない? もう少し寝かせてあげれば。達紀のこと気に入ってるのね──」
母さんは微笑んで行ってしまった。
…………。
ポンを見る。まだ寝ている。
そっと撫でてみる。
柔らかい。そういえば、最近撫でてなかった……
「ゴロゴロ……」
「なんだよ……いつもそんな素直じゃないくせに──」
ポンは喉を鳴らして喜んでいた。
撫でて欲しかったのか──
「……──」
前言撤回。
今、ポンの前足が俺の頬に軽いパンチをいれたからだ。
「ニャフ……」
「……ニャフじゃねえだろ!」
寝返りを打つ。
ポンが下に──落ちなかった。
ヒョイッと上手く降りた。
チッ──
「ニャン」
そして、どうよというように鳴いた。
くっ。やりよるな……
しかし、俺はまだ諦めない──
どうだったでしょうか、
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