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想いの重さ

作者: 月白 深夜

人の想いなんて

形にしたら重すぎて

僕のちっぽけな手には余っちゃうんだ

伝えられないもどかしさと

伝えたい言葉を紡いだ手紙も

無言の心を託して

そっと手渡された贈り物も


僕には返すほどの想いもなく

ただ大きすぎる荷物を抱えて

ひとり途方に暮れ


だからその重さによろめいてしまわないよう

積み重ねた教科書の下に

くだらない記憶の底に投げ捨てて

想いに堪える辛さも知らずに

僕はまた身軽になって歩き出した


だけど繋がりを忘れて

錨になる笑顔も涙も置き去りにして

辿り着いた先に

僕が見つけたのはただ孤独

煩わしさも体温も恋しいほど

ただ冷たい

ただ静寂


きっと

僕らにはその重さが必要なのだ

鋭い声に血を流しても

絡みつく白い糸に足を引き摺っても

僕らは逃れたいと願いながら

無人の渇きに堪えることはできず

留まりたいと望むのだから

だから熱も痛みも

その想いをまるごと呑み込んで

きっと


僕らは生きていく

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― 新着の感想 ―
[一言] ただ単純に、素直にああそうだなって思いました。 個人的に、とても心に響く内容でした。 良い詩をありがとうございました。
[良い点] 心象風景が染み込んできます。 直情的な言葉選びなのに 稚拙さがまったくない。 織りなす言葉が重なっていくのが とても美しいと感じました。
[良い点] 良い作品です。 平明な言葉で解りやすく書いているのがいい。 現代詩は得てして難解になりやすいが この作者はそのような気配がない。
2013/07/22 22:35 退会済み
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