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~プロローグ~
あなたはすべてを失ったわ。
あたしから、すべてを奪って、そしてそれを道連れにあなたもすべてを失った。
あたしには、もうあなたしかいないし、あなたにも、もうあたししかいない。
でも、あたしはあなたを決して咎めたりしないわ。あなたも苦しかったのよね、辛かったのよね。
あたしにはあなたの気持ちが分かるわ。
本当の意味では理解してあげられないけど、共感はできるわ。
あら、あなたが泣くことなんてないの。
あたし達の物語があの時一緒に終わっただけ。
あの子達はこれからも話を繋いでいく。
あたし達のことなんて、きっとものともしないわ。
だからあたし達も、あたし達のことを受け入れましょう。
人は許すことを知っています。
人は憎む心を忘れません。
けれども、それが人の強さに変わるの。
だから、あの子達が強くなったのだと思えば、あなたのことも許せます。
あたし達はもう、元には戻れないわ。
あたしはあの子達をここから見守ることにしました。
さあ、あなたも覚悟を決めなさい。あたし達の物語はもう終わったの。
―――――――――――プロローグ・完―――――――――――――――