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第九話:お前が選んだ結果だ

ここは大きな転換点です。


これまでの積み上げが、一度崩れます。

そして主人公自身も、はっきりと“責任”を突きつけられます。


少し重い回になります。

「状況、急変!」


 警報が、鳴り続けている。


 「東欧戦線、全面崩壊!」


 「中東地域、再交戦拡大!」


 モニターが、真っ赤に染まる。


 「……なんだ、これは」


 ナポレオンの声が、低くなる。


 「連鎖している」


 信長が笑う。


 「止めたはずの戦が、逆に広がっておるな」


 ガンディーが言う。


 「均衡が崩れました」


 家康が言う。


 「歪みが、一気に出た」


 俺は、画面を見つめていた。


 さっきまで抑えていたはずの戦場。


 それが、爆発している。


 「……なんでだ」


 手が、震える。


 「分析出ます」


 数秒後、データが流れる。


 「……外部勢力の一斉介入」


 ナポレオンが舌打ちする。


 「読まれていたな」


 信長が言う。


 「均衡を崩した瞬間を狙われた」


 ガンディーが言う。


 「人の恐怖が増幅しています」


 家康が言う。


 「一度崩れた均衡は戻らぬ」


 理解する。


 俺たちは――


 触ってはいけないバランスを壊した。


 「……違う」


 呟く。


 「止めようとしただけだ」


 ナポレオンが即座に言う。


 「それが原因だ」


 「……っ」


 信長が笑う。


 「戦はな、触れば動く」


 ガンディーが言う。


 「だから慎重でなければいけません」


 家康が言う。


 「覚悟が足りぬ」


 頭が、真っ白になる。


 違う。


 そんなはずはない。


 俺は、救った。


 一人、救った。


 だが――


 画面の中では、


 何百、何千と、人が死んでいる。


 「……俺の、せいか」


 誰も、すぐには答えなかった。


 そして――


 ナポレオンが言う。


 「そうだ」


 言い切った。


 「お前が均衡を崩した」


 「お前が流れを変えた」


 「だから、こうなった」


 息が止まる。


 「……違う」


 かすれた声。


 「救ったんだ」


 信長が言う。


 「一つをな」


 ガンディーが言う。


 「だが、他が崩れた」


 家康が言う。


 「それが現実じゃ」


 拳を握る。


 震えが止まらない。


 「……じゃあ、どうすればよかった」


 誰に向けたのかも分からない。


 「見捨てればよかったのか!」


 沈黙。


 ナポレオンが言う。


 「その方が被害は少なかった可能性は高い」


 頭の中で、何かが切れた。


 「……ふざけるな」


 信長が笑う。


 「ようやく人間らしくなったな」


 ガンディーが言う。


 「怒りもまた、選択の一部です」


 家康が言う。


 「だが、それでは進めぬ」


 俺は、モニターを見た。


 炎。


 瓦礫。


 叫び。


 そして――


 また、医師の姿。


 守れなかった。


 まただ。


 「……終わらない」


 小さく、呟く。


 何をやっても。


 何を選んでも。


 どこかで、誰かが死ぬ。


 「……無理だ」


 その言葉が、漏れた。


 初めてだった。


 「……無理だ、こんなの」


 沈黙。


 誰も、否定しなかった。


 それが、答えだった。


 そのとき――


 「新規通信」


 画面に、一人の人物が映る。


 知らない顔。


 だが、その目は――


 明らかに、こちらを見ている。


 「あなた方が、介入者ですね」


 冷たい声。


 「バランスを崩した責任、取ってもらいます」


 ナポレオンが低く言う。


 「……敵だな」


 信長が笑う。


 「ようやく、戦らしくなってきた」


 ガンディーが言う。


 「対話を」


 家康が言う。


 「まず見極めよ」


 俺は、画面を見つめた。


 相手の男が、言う。


 「あなたの選択で、何人死んだか分かりますか?」


 言葉が、刺さる。


 何も言えない。


 「……答えられないですよね」


 男は、わずかに笑った。


 「だから、あなたは負ける」


 通信が切れる。


 沈黙。


 俺は、動けなかった。


 正しいことをしたはずだった。


 だが――


 結果は、これだ。


 「……どうする」


 家康の声。


 俺は、しばらく何も言えなかった。


 そして――


 ゆっくりと、顔を上げる。


 「……まだ終わってない」


 かすれた声。


 「終わらせる」


 ナポレオンが言う。


 「その状態でか」


 信長が笑う。


 「いい顔になったな」


 ガンディーが言う。


 「ここからです」


 家康が言う。


 「覚悟を決めよ」


 俺は、モニターを見つめた。


 失敗した。


 間違えた。


 だが――


 「……次は、間違えない」


 それでも、進むしかない。


 それが――


 この戦いだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


ここで一度、完全に崩しました。


主人公の選択が裏目に出て、

はっきりと「お前のせいだ」と突きつけられる回です。


そして、新たな存在(敵)が明確に登場しました。


ここから物語は

「戦争を止める」から

「戦争そのものと対峙する」フェーズに入っていきます。


次話は再起です。

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