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アイちゃんの小話  作者: たかさば


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17/20

『耳掃除』

 春の日差しが柔らかく差し込む午後、花子は居間で耳そうじをしてもらうため、夫の太郎に頼みました。

 二人は、これが日常の一部となっていました。


 太郎がそっと耳かきを使い、花子の耳を掃除していきます。

 微かなくすぐったさに、花子は微笑みを浮かべました。


 耳そうじが進むにつれ、花子は耳に違和感を感じ始めました。


「太郎、もう少し優しくして」

と、花子はお願いしました。


 太郎はいつも通り慎重に耳かきを動かしているはずでした。


 違和感が強まった花子は、我慢できずに

「もうやめて!」

と声を上げました。


 驚いた太郎は、手を止めました。



 その夜、花子は耳に痛みを感じながらベッドに入りました。


 次の日、花子が耳鼻科を訪れると、医師は耳の奥に小さな異物があることを発見しました。

 それは、子どもの頃に遊んでいたおもちゃの破片でした。


 驚いた花子は、その破片がどれだけ長い間耳の中にあったのかを考え、怖くなりました。


 医師は無事に破片を取り除き、花子の耳は元通りになりました。


 帰り道、花子は太郎に感謝の気持ちを伝えました。


「耳そうじのおかげで、大事な発見ができたわ」


 太郎も笑顔で

「次回はもっと気を付けるよ」

と返しました。


 それ以来、二人の耳そうじの時間はより慎重で大切なものとなりました。


 日常の何気ない習慣が、二人の絆をさらに深めるきっかけとなったのでした。

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