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207話 愛されてたらしい私の再思考計画開始

知らなかった、私って慕われてたのか?


アテナに未来が知ってることをバレた日は、結構打算があったのに。

裏カジノに乗り込んでコマチを救ったときだって、愛着はあったけど今後のことを考えての投資みたいなとこあった。


王女時代にやったことは、全部「将来自分が死なないための布石」って頭のどこかで考えてたのに。

なんでこんなに愛されてんの?


(うう、コマチが振り回したから気持ち悪い)


なんだか頭もうまく回らない。

でも、いろいろ考えたけど答えは一つしかない。

私は、それだけ心を掴んじゃってたんだろう。


(なんか、泣きそう)


泣かない、泣かないけど。

嬉しいと思うのは、人心掌握うまくいったぞ!だけじゃ絶対ない。


私の大事な人たちが、私を大事に思ってくれてるってこと。

それは、こんなに染みるものなんだ。


でも、それをちゃんと受け止めるわけにはいかない。



「話せば、あなたたちに迷惑がかかるわ」

「自分たちは、ディアーナ様のことで迷惑だと思たことは一度もございませんよ」

「一度もないとは言わねぇけど、今更だろ?お前が何者だろうが少なくともここに二人味方がいる。全部話しちまえ」

「こ、ここにもいます!!はい!!」



ちょっと離れたところから声がする。

私も、アテナも、コマチもそちらを向く。

そこには、ジークのそばに立って手握りあってるメリーがいた。

右手は無事なジークの手を握り、左手をピンとまっすぐに上げてこっちを見てる。


嬉しそうに右手を揺らすメリーとは逆に、ジーク苦虫噛み潰して吐いたような顔してるんだけど。

目離した隙に何があったのこの二人。


……えっまさか、そんなことある?

まさかのまさか?



「知らなかったわ、わたくしのいない七年で二人はそんな仲に?」

「ジーク、メリーに手出したらあたしがお前を殺す」

「怪我しても若い女性に手を出すなんて。やはりあなたはケダモノでしたかジーク」

「勘違いに悪乗りしないでもらえます?お望みなら本当にして差し上げますが」

「わ、私もディアーナ様の味方です!だから、あの」

「痛い痛い痛い。手握ったまま動かないでくださいメリー、怪我に響きますから」

「ジークさんも味方になるって言ってくれましたし、4人でまた専属使用人です!」



嬉しさを表してるのか、下げてた右手もぐっと上にあげるメリー。

引っ張られてジーク顔歪めてるけどいいの?

骨折もしたことないからわかんないけど、見た感じ本当に痛そうだよ?



「ひょっとして俺の存在見えてないんですかメリー?」

「あとジークさんは別にタイプじゃないです!」

「最後にそれ言う必要ありました?なんで俺ばっかり痛い目見てるんですかね」



あ、勘違い?

よかった、七年の間にジークとメリーがいい仲になってたら気まずいとこだった。

別にもう大人だしいいと思うけどさ?

どことなく知り合い同士がカップルになったって知ったら気まずいよね。

そんな事実はないわけだけど。


とりあえず、さっきまでの席にみんなついてもらう。

グダグダなままする話でもないし、シリアスしかない重要なことだから。



「わたくしの味方をするということは、これまでの通りにはいかないのよ。それをわかっているのかしら」

「でもお前、あたしらが味方じゃなかったら絶対ごまかして話するだろ」

「ディアーナ様のお優しいところですが、自分たちはあなた様に守られたいわけではありませんので」



そうだよ、だからあんたらと離れて作戦実行しようとしたんじゃないか。

こうなったらちゃんと話さないと開放してくれなさそうだし、この四人が私のこれからすることについての情報を握ってる可能性もあるわけで。


そうなったらいくら嘘ついても勝手に動いてさ?こっちの思惑ぶっ潰されるかもでしょ?

なんかその作戦すらシー先生の手のひらの上なんじゃ疑惑あるから嫌になってきたけど。



「一応確認するわ、ジークは本当に味方なの?さっきまでわたくしを殺そうとしたじゃない」

「『一応の』味方ですとも。メリーが大胆にあ~んなことやこ~んなことをして俺に首輪をつけたのでそれはもう渋々」

「そ、そんなことしてないです!ただお話ししただけで」

「何想像したんです?うぶですね、俺を折らせたくせに」

「ななな、違いますから!でたらめ言わないでください!」

「ジーク、メリーで遊ばないでください。メリーが穢れます」

「それより早く話してくれ。ジークのやつ痛いのやせ我慢してっから」

「アテナの目は節穴ですか?俺にはこれくらい痛くもかゆくも」

「じゃあ無視するわね。あなたたちが味方だというなら、遠慮なく巻き込ませてもらうわ」



ジークがいきなり改心したのは気になるけど、今は言及する時間も惜しい。

4人を巻き込みたくなかったけど、本当に遠ざけたかったけど!

重要なことに気づいた今、最悪の結末にならないように力がいる。


私だけじゃそれを実現するのは無理だ。

私がしたいことは、処刑回避でこの国のハッピーな存続。

ちょっと余計なものが加わったけど、私のしたいことは変わらない。


(大丈夫、大丈夫……まだ私の采配で変わるはず。滅亡編はめちゃくちゃ情報過多に仕上げてたし、改変ポイントは作れるきっと!)


きっとシー先生と対立しても、この4人を守れるはずだから。

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