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 橘 和葉(たちばな かずは)が異世界に飛ばされたのは満員電車に乗ろうとする正にその時だった。太陽よりも眩しい光に包まれた和葉はいつの間にか地面にへたり込んでいた。

 上を見上げれば満員電車では絶対に見られない開放された天井とステンドグラス。和葉を取り囲むのはキラキラした表情をして真っ白な服に身を包んだ司祭達。ご丁寧に魔法の杖的な物や、いわくありげな本を開いている人達もいる。悠に10人以上の人数で威圧感しかない。

 「マジ?勘弁してよ…。」

 そう言って2度見しても目の前の光景は変わらない。

 不意に目にかかった前髪を掻き上げる。二日酔いでクラクラした頭が更に回ってきた。掻き上げた髪からは、友永部長のシャンプーの良い匂いがした。

 昨日、狙っていたイケメン部長をやっとの思いで落とした和葉。お泊まりまでして幸せ絶頂の最中。理解力がはずば抜けて高い和葉だが頭が理解するのを拒否している。

(異世界召喚…だよね?うん。)

 目の前の司祭が柔和な笑みを浮かべながら手を差し伸べた。

「お待ちしておりました。聖女様。」

 (よわい)10代ならまだしも、30になったのに聖女なんて言っても全然心が舞い上がらない。

 それにも関わらず、つい伸ばされた手を取ってしまうのはNOと言えない社畜の性なのだろう。

 (あーあ、今日のプレゼン気合い入れて用意したのになぁ。まぁ有給使わずに休めてラッキー…か?)

 つい、無意識にヘラヘラと愛想笑いをしながらそんなどうでも良いことを考えてしまっていた。

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