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追求

僕たちは次の街を目指すべく汽車へと乗り込んだ。

そこで僕たちはケイという男と出会うこととなった。


「君たちはどこの駅で降りるんだ?」

ケイは次の行き先について尋ねた。


「一応ハイルに行こうと思ってるんですけど。」

マイはそれに対して、次の行き先を答えた。


「ハイルか!奇遇だな。俺もそこで降りようと思ってたんだよ!」

ケイは喜んでいるのか今にも飛び跳ねるような勢いだった


「だったら、ハイルのこの噂知ってるか?」

さらに話を続け、僕たちにそう問いかけてきた。


「幽霊城のこと。知ってるか?」


幽霊城?........なんだろうそれは.....


「いや、知らないです。」

マイがそう答えると、ケイは僕の方に目線を向け


「ミナトは知ってるか?幽霊城。」


「いや、聞いたことないです。」


「そうか。実はな。その幽霊城は山の上に突然霧が晴れると同時に現れるらしい。そして、それを見て面白半分で行ったやつは全員消えちまったらしいからな。」

僕はケイの話に少しばかり食い入るように聞いていた。

僕の知らない世界がまだまだ広がっていることに対して

先程の仮面の男などのことも忘れるほどに


「ケイはその幽霊城を見に行くために行くの?」

僕の疑問に対してケイは笑いながら答えた


「違う!違う!俺は別のことを確かめたくて向かってるだけだよ。」

別のこと?......一体なんのことだろう......


「大財閥ガーランド財閥社長の暗殺未遂事件の真相を調べにな。」

ガーランド財閥?......暗殺未遂?.....


「え!?あの事件の!?」

すると横でマイが驚きの声をあげていた。

マイもその事件について知ってるのか?


「有名な事件なの?」


「ん?なんだミナト、知らないのか?」

ケイは少しばかり驚いた表情を浮かべたが、その事件について話してくれた。


「ガーランド家というトップレベルの財閥企業の社長を狙った暗殺未遂事件がほんの数ヶ月前に起きてな。まだ裁判も継続中らしい。」


「ケイはどうしてその事件を追ってるの?」

するとケイは先ほどから片手に持っていた雑誌のようなものをこちらに開いて見せてきた。


「俺はその事件の犯人の男のことが知りたいんだ。

この記事によるとその犯人は国立で官僚などを多く輩出したフラン高等学校の生徒で成績もトップレベルだったとされる。そんな男がなぜその行動にうつることになったのか

俺はそれが知りたいんだ。」


直接は見えないが、ケイの真実を追求したいという思いがひしひしと伝わり、それを語る目には嘘偽りない彼の気持ちが読み取ることができた。


「ところで、二人はハイルには何をしに?」

そして、今度は僕たちの話題に移った。


「私はお姉ちゃんを探しに旅に出て、ミナトはそれに付き添ってくれてるんです。」

マイはそう答えた。


「そうか。しばらくは一緒になりそうだし、俺にできることがあったら、なんでも言ってくれ!」


「はい!ありがとうございます!」

ケイのそんな頼もしい言葉にマイも笑顔で返した。

確かに彼には信頼できる何かを感じることができる

何か確証があるわけではないけど彼にはそう思わせてくれる何かがあった。


「あ!ごめん二人とも。ちょっとトイレ行きたいんだけど

トイレってどこにあるのかな。」

マイがそう聞くとケイは向こう側のドアの方を指差しながら答えた。


「ここから2号車分行ったところにあるはずだ。」


「ありがとう!ミナトちょっと行ってくるね!」


「うん。いってらっしゃい。」

そうして、マイはドアの方へと走って行った。





6号車


「早く戻らないと!」

トイレを済ませたマイはすぐに5号車につながるドアに手をかけた。


ガチャガチャ.....

あれ?.......開かない?


「ひぇひぇひぇ!!お前さんは閉じ込められたんだよ!」

その時どこからともなく、室内には不気味な声がマイに

そう話しかけてきていた


「今ここは密室となり、お前さんの声は向こうには聞こえなくなったのさ!!!」


「!!!」

マイがその声のする方向に目を向けるとそこには

鼠色のマントを被った老婆が立っていた......


















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