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大監獄へ

その事件の真実に辿り着くにはまだまだ長い年月が必要なことを覚悟していた。だけど、案外それを知るチャンスは早く訪れた。

俺はホテルでのミナトの助言を受けて決心を固め、今こうして参謀総長であり、その事件の張本人であるレナを目の前にしてその事件をついて、俺自身が追っていることを話した。あれほどの大物に対する犯罪を起こした者には普通の人間では面会をすることなどほとんどできない。

会えるのはごく限られた政府の要人ぐらいだろう。

レナは案外俺の願いを快く引き受けてくれた。

監獄へ向かうための車も手配してくれ、車の中では

暗殺未遂事件の犯人......ハルカとの思い出のようなものを話してくれた.....


高校時代のハルカはおとなしい人物で誰にも打ち解けようとはしない一匹狼のような人物だったらしい。

そのハルカが徐々に心を開き出したのはどうやらハルカのクラスの担任をしていたミツキという女性の教師の影響が大きいことがわかった。彼女は誰にでも分け隔てなく接し、ハルカにもその時ミツキ自身が請け負っており、レナも所属していた美術部にハルカを入らせ、それがハルカにとってもかけがえのない時間になっていっていたことがわかった。レナもそのようにしてハルカとの交流を深めていったらしい。ただ、その数年後にミツキは突然亡くなり

ハルカはその死の原因をある一人の男に抱いていた。

レナもそれを面会の場で打ち明けられたらしい。


レナは再会した後も公務の合間に彼に会いに面会に度々赴いていたらしい。そして移動中の車でレナから感じ取れることは彼を信頼し、また俺もハルカという人間は何か信念が根底にあり、どこかに情熱的な部分があることも見えてきていた。レナとの会話から浮かび上がる彼の人物像が

うっすらだが少しずつわかっていき、彼が訪ねたであろう地域を一つ一つ調べていた時よりは鮮明に現れていた。


「そろそろ着く頃かな」

レナがそう言い、車内の窓からこの帝都随一の大監獄がすぐ目の前に迫り、この中に俺が探し求めたきた答えがある

そこに近づくにつれ、体は熱を帯びて緊張を伝え、足にも若干の震えのようなものを覚えていた。

車を降りると、そのまま監獄の入り口に入った。

あまりの廊下の静けさは一歩一歩の足踏みが大きく反射し、俺たちの影も遥か遠くに伸びているのがわかった。


「閣下。いつも通りの時間でお願いしますよ」


「わかってる。わかってる」

看守との会話を終え、レナが扉を開け、俺にも中に入るように催促した。先ほどとは打って変わり、その時はなぜか妙に落ち着いている感覚であり、淡々と部屋に入り、

彼がガラスで仕切られた部屋に来るまで椅子に座り、ただジッと待っていた。









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