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帝都の衝撃

朝日が大地全体を燦々と照らし、馬車に付けられた僅かな

窓からもその光が差し込み、この小さな箱の中にその光は充満していた。

あの森から出発して早4時間ほどは経っていたはずだ。

僕とシキ以外はみんなそれぞれ仮眠を取っており、

マイはスースーと微かな寝息を立て、ケイは少しよだれを垂らしながらのだらしない格好で、サクは被っている帽子を深々と被り、その表情はほとんど見えなかった。

僕はみんなをそれぞれ見回すと正面に座っているシキと

目が合い、シキはニヤッと笑みを見せ、3人を起こさない程度な静かな声で僕に問いかけた。


「寝なくていいのか?かなりな長旅になったが」


「いや、大丈夫です。あんまり眠くないですし」

シキはそうかと言うような軽い頷きを見せると

若干乗り出していた身を引いて定位置に戻っていた。


「........」

実はあまり眠くないというとそれは嘘だ。

ただ、それもそっちのけになってしまうほどに僕は

帝都というところへの高揚感というものでとてもではないが寝れる気がしなかったというのが実情だった。

出発当初の劣悪な道路事情は少し改善され、道路もおそらく舗装されているところまで来ており、帝都まであと少しであることを推測することができた。

今日の快晴の天気はまさに僕の心の内を表しているかのようだった。


「よし。そろそろ起こすか」

僕にもそう伝えると、熟睡しているみんなを起こすように

促され、僕はマイやケイの肩を少し揺らし、シキも隣で寝ていたサクの肩とトントンとゆっくり叩いた。

それぞれ眠そうな目をこすりながら、あくびや背伸びなどが散見される中、シキはその間を縫っていき、馬車に取り付けられた小さな小窓を開けた。



「ほら。着いたぞ。あれが帝都だ」

そう言って指を指した方向に目を向けるべく小窓の隙間から外を覗くとそこにはどこまでも続く高い建物や今までの街よりも格段に整備され、あたり一面にも木々の緑が生い茂り、透き通った川も流れ、都会と自然が見事に調和した美しい都が僕の目に映し出された。

初めて見る帝都は見るもの全てを圧倒する巨大なスケール観と優しく包み込むような自然の柔らかさを感じられ、

僕はしばらく目が離れず、出発する時の高揚感が蘇り始めていることに気づくのにはそう時間はかからなかった.....









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