照らす炎
「ふっ......なるほどな.......」
仮面の男は笑いながら、少し立ち上がった。
そうか......僕の能力は何か物体にさっきのオーラを当てることで初めて効果を発揮する。
これなら......戦えるかもしれない.......
僕とガラスの鎧は仮面の男を挟み込むように対峙した
「こんな相手と戦うなんていつぶりだろうな。私も少し本気を出そうか。」
そう言いながら男も身構えた。
「.........」
部屋には異様な沈黙がただ良い、風の音が妙によく聞こえていた。
「なら.....こちらから行こうか......」
仮面の男はそういうと瞬時にガラスの鎧の方に走り、
足を切りつけた。
ガラスの鎧の足は砕け、破片が部屋中に散らばっていた。
「所詮はガラスだ!こうしてしまえば恐るるに足らん。」
片足を失い、少しよろめきながら、僕の前に立った。
「さて......そろそろ片付けさせてもらおう......」
再び刃物を突き立て、こちらへと歩みを進めた。
まずい......何か防ぐ方法は........
「何ッ!!」
その時、先ほど砕かれた足の部分のガラスが集合し、
盾のようなものになって攻撃を防いでいた。
僕の能力にはおそらくオーラを当てたものを自由自在に扱うことができる......
だったら......
僕が念じるとガラスの鎧の左手はみるみる変化し、剣のようなものへと姿を変えた。
「くっ!中々しぶといな.......」
僕たちは仮面の男と対峙しながら、攻撃の機会を伺った
深い沈黙の中、剣と刃物が交差し、摩擦音が部屋に響いた
何度も刃を交えるが、互いに決定的なダメージを与えるまでには至らなかった。
急がないと........だけどどうすれば倒せる........
どうすれば............そうだ!......これなら.......
僕はガラスの鎧を仮面の男の方に走らせた。
「ふん!何度やっても私を倒すことはできん!!」
そう言い、再び刃物を振り翳した。
その時、ガラスの鎧が一気に砕け、その無数の破片は仮面の男へと突き刺さった。
ガラスの鎧で勝てないならそれにこだわる必要はない。
「ぐぁ!!!!!!」
仮面の男は血を流し、その場に倒れた。
「はぁ.....はぁ......マイ.......」
おそらく、先ほどの能力を使ったことで体力はほとんど限界に近づいていた。
早くマイを見つけないと.....僕はホテルの部屋から出る扉の方へと向かった。
ガチャガチャ.......あれ.....開かない......なんで......
何度やっても扉は開かなかった.....早くしないと......
「くたばれ!!!」
僕の後ろから声が聞こえ、その方向に目をやった
そこには仮面の男が立っており、血だらけのまま僕の方へと刃物を向けていた。
まずい!!...........このままじゃ.........
僕はその場に身を屈めた。
「グワァ!!!!!!」
「うっ!!!!!」
その時、仮面の男の後ろから光が溢れ、仮面の男は
その光.....いや.....炎のようなものに飲まれていった.....
その奥にはポツンと一つの人影のようなものが見えた。
「はぁ......はぁ.......」
僕はその場に倒れ込み、そのまま意識を失った........




