謎の人物
異様に静まり返った2階の部屋に僕たち4人は足を踏み入れ
今、その音がした扉の方へと向かい、先頭を歩いていた
マイがその扉のドアノブに手をかけていた。
マイは後ろにいた僕らに開けるよというようなサインが送られ、それに対し、頷きで返した。
ガチャ.....
扉を開けると、その部屋はどうやらかつてこの家に住んでいた家族の寝室と思われる場所で部屋に入った手前に
二人分ほどの大きくてホコリ被ったベッドが置いてあった
ガチャン!!!
その時、突然、この部屋の扉が閉まる音がし、最後尾で
僕に引っ付いていたケイが扉を開けようとしたが、びくともしなかった。
僕を含めた前3人に開かないというように首を振り、
僕たちはそれぞれの顔を見合った。
あの幽霊城と同じような手口ということもあり、
僕自身は彼らの追手がここまで迫ってきたと感じ、
警戒心は一段と高まっていた。
部屋の中はベッドとその奥に若干カーテンのようなものがかかった暗い空間があるぐらいで広いものではなく
敵の襲撃を受ければ一瞬でやられてしまう可能性も考えられた。
「?............」
すると、カーテンのようなものがかかっている奥の空間に
ポッと何か灯りのようなものが止まるのが僕の目にとまった。僕に続いて3人もそれに気づき、僕たちはその中へ
入ることを頷きなどの合図で確かめ合った。
慎重に前へ進み、カーテンの間をスルスルと抜けると
そこは小さな屋根裏部屋のような場所になっていた。
左の方へ進んでいくとすでに行き止まりのようになっていたが、周りにある本棚には埃被りながらも多くの本が並び、かつてのこの家の家主の生活の一端が垣間見えた。
しかし、先ほど見えていた灯りはいつのまにか消えており
微かに部屋に入ってくる外の光で見えている状態だった
「さっきの灯りなんだったんだろ」
「まさか....本当に幽霊だったりして....」
マイはチラッとケイの方を向き、ケイは強がっている風ではあったが、僕にさらに引っ付いて離れようとしなかった
「!?.....」
すると、突然僕たちの後ろの方が光り、一斉に僕たちはその方向へ振り向くと、そこには蝋燭を片手に持った黒服の男が椅子に座って、僕たちの方へ視線を向けていた。