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忠告

「あまり長居はよしてくださいね」


「わかってますよ。すぐに行きますから」

私は看守にそういうと面会室でハルカを待っていた。

聞くところによると彼はこの監獄の中でも模範囚的な扱いを受けていることが私も耳にも入っている。

学生時代の頃から何も変わってない.....

そこが彼の良さでもあってあの事件を起こした後でも根本は変わっていなかったんだとわかり、私はある意味でホッとしていた。


ガチャ....


「ハハッ。また俺に会いに来るとはな。俺のことでも好きなのか?」


「バカな冗談はやめて。そんなわけないでしょ」


「ハハハ。嘘だよ!」

全く.....私は体が暑くなり、服で仰ぐようにして暑さを逃した。でも......ここで再会した時より少しは元気になっている彼を見て安心感が押し寄せたことも事実だった。

昔も彼と初めてあった頃は口も中々聞いてくれなかったが

徐々に私に対して冗談を時々言うようになった。

あの時の懐かしい気持ちが蘇る。

その後も色々、雑談としたが、やはり彼の根本の性格の部分は何ら変わっていないことは私に安堵感を与えるのに

十分だった。

そして私は肝心の事件の裁判などについてシンさんに改めて精査をすることを促したことを伝えた。

彼は黙ったまま少し頷いていた。言葉には表さなかったが

おそらく彼は納得してくれたのだろう。


「じゃあ。私はそろそろ戻る」


「おう。まあ、頑張れよ」

そう言い合いながら、私は席をたった。


「あ。そうだレナ。一つお前に聞きたいことがある」


「聞きたいこと?」


「最近、西部の開拓地のことで何か事故とか事件の情報とか出回ってないか?」

ハルカは立ち去ろうとする私を呼び止め、西部開拓地のことについて質問を投げかけてきた。


「?....いや、特に何も聞いてないけど」


「そうか....なら、いいんだ」

彼はそう言って口を噤んだ。それは何か忠告のようなものを受けた感があったことをこの場を去った後に私は感じていた。








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