旧友
〜帝都アスカ〜
人口およそ130万の大都市でこの国の行政・司法・経済全ての中心として機能していた。
そして、この大都市の中心の議事堂から西南におよそ
40キロのところにあるこの国最大の監獄コクウ監獄が
聳え立っていた。ここには国家や社会に対する重大な犯罪を犯した大罪人の多くが収監されており、多くの場合は
死刑や終身刑などを課されたものが9割を締めている状態だった。
この地へ今、専用車を用い、訪れていた一人の人物がいた
彼女の名はレナ。この国の軍のトップに立つ軍部大臣の
一人娘であり、未だ27歳ながら参謀総長の座についている人物である。
カッカッカ...
彼女と彼女を案内する案内人の靴の音が廊下に響いており、その反響はこの地を表すような冷たさを纏っているようだった。
そして、何よりも彼女はある人物との面会を果たすために
ここへ足を運んできていた。
「閣下。よろしいですか。あの者との対面は10分のみですよ。それ以上の延長は認められません」
「ああ。わかっているよ。すぐに済ませるから」
帝都からここへ案内してきた男はそう言い残すと
その男との面会を行うための個室へと導いた。
ガチャ....
個室には区切るようにガラスの敷居が張られていた。
「.......」
まだ誰もそこにはいないが、私は用意されていた椅子に
座り、彼が来るのを待つことにした。
ガチャ.....
そう思い、椅子に腰をかけたタイミングで警官に連れられた彼が入ってきた。何年振りだろう.....。
髪は目にかかるほどに伸びており、顔色も端正な顔立ちながら青白くなっており、表情にある種の絶望や失望のようなものが感じとれた。
「久しぶりだな。レナ」
「ええ。久しぶり」
その声を聞き、私はあの頃を鮮明に蘇っていた。
月日が経つにつれ、徐々に失っていっていた
四人でいた頃のあの頃の記憶を......
彼の名前はハルカ。私が通っていたアスカ国立高等学校での同級生......そしてこの国で西部地域開拓への資金援助や
有力政治家との紐帯を持つガーランド財閥の社長暗殺未遂事件の実行犯である......