合流へのメッセージ
ミナトが怪物との戦闘を始めていた頃、マイ、ケイ、サクの3人はそれぞれ合流するべく、各々の歩みを進めていた
「ふぅ....壁がひっくり返ってまた別の部屋に出た時にはもうダメかと思ったけど、なんとか廊下に出れた」
マイは仮面の人物と戦った部屋とは別の場所へと飛ばされており、部屋をかき分けながらようやく廊下へと辿り着いていた。
「ここまでくれば3人の誰かとは合流できそう...」
薄い灯りを頼りにしながら早歩きで廊下を駆け抜けるように進んでいくと、何やら目の前に人影らしきものが見えた気がした。
「??....誰だろう....」
その人影は先にある曲がり角を曲がって行き、私はその後を追い、角からゆっくりと覗き込んだ。
あの服装....やっぱり!!
私は先ほどよりも一段と早くその人影へ向けて走った。
「ケイ!!!」
「うわぁ!!びっくりした〜!!!」
ケイは私の気配に気づいていなかったようで廊下に響くような大きな声を出し、心臓の方へと手をやりながら
後ろの壁へともたれかかった。
「はぁ〜。びっくりしたな〜。なんだマイか。なら良かった」
「ちょ。驚すぎじゃない?結構久しぶりの再会なのに」
「まあな。新手の敵が襲ってきたのかと思ったぞ」
今まで一人だった分、なんだか少し話をしただけで
心にゆとりがあるのを感じていた。
「とりあえず。早く二人も見つけてここから出よう」
「そうだな。よし!急ぐか」
私たちは二人を見つけるべく、走り出した。
「ちょっと待て!」
数十分ほど立ち、私が先行するように走っていると突然
ケイが私を呼び止めた。
「どうしたの?いきなり」
「ほら。あそこ見てみろよ」
「あっ!お〜い!!」
ケイの言った方向に目を向けるとまた見慣れた服装をした人物がおり、私たちはそこに向かって走った。
「お前ら。合流できたのか」
「サク〜!久しぶり〜!」
「よし!なんとかこれで3人は揃ったな!あとはミナトを探すだけか」
ドオンッッッ
「!?....何!?.....」
奥の通路の方から何かが崩落するような音が鳴り響き
私たちはそこへ向かって行った。
「うわぁ!」
そこに着くと上の階の天井に大きな穴が空いており、
私たちの皆の通路に瓦礫が散乱していた。
「上で何か起きてるの?....むぐぐ!....」
すると、サクが突然私の口を抑え、小声で私たちに説明した。
「静かに。おそらくこの上で戦いがあってる。ミナトの可能性も高い。」
「でも、どうやってそれを確認するの?」
「ん?おい。あれ」
突然ケイが前に指を差すとおそらく上の階から紙切れのようなものが私たちの前に落ちてきた。
「この紙切れ....もしかしてあの時の.....」
ケイがそれを言うのとほぼ同時に紙切れから紫のオーラが現れ、私の意思は問いかけるようにどこからともなく声が
響いていた。
「僕が降りたらみんなも全力で走って.....」
「これは....ミナトの声.....」
どうやら、能力使いのサクにも聞こえたみたい。
「ん?声?何も聞こえなかったが」
能力が使えないケイには聞こえなかったらしく、私は耳打ちするようにミナトからの伝言をケイに伝えた。
ミナトが降りてきた一瞬で私たちも逃げなければならない
この瞬間にも私は全身に緊張を纏い、その時を待つこととした。