衝突
「先に3手やろう。その3手が終われば俺も攻撃させてもらう」
先ほどまで組んでいた腕を降ろし、直立のような状態となり、僕に攻撃のチャンスを与えた。
しかし、僕はそのチャンスに恐怖のようなものを感じていた。今までの敵とは明らかに異なる。
体全体に緊張が走り、思うように動けない。
でも、戦わなきゃ。僕はその思いを胸にオーラを纏い、
怪物めがけて放った。
「おおっと」
怪物は軽々と避けるとオーラは後ろの天蓋へと当たった。
天蓋は人型にサッと変化し、アリーショとの戦闘時のように怪物の体を瞬時に縛り上げた。
「中々な力だな。これならアリーショを倒せたのも納得がいく」
何故だ....そう言葉の節々から来る余裕のようなものが
僕にさらなる脅威を与えてきた。今までの敵とは明らかに
違う何かを僕は感じていた。
それに.....恐怖とは違う何か別の感情も僕の中に混在していた。何か憎しみとか怒りとかそう言った類のものに近い感情が....
「どうした?まだ2手残ってるぞ」
その言葉に応えるようにもう片方を巨大な拳のような形となり、その拳を背中に加えた。しかしその攻撃には手応えと言ったものが感じられず、再度攻撃を背中に加えた
やはり手応えが全くない....こんなこと今まではなかったのに.....
「ふぅ〜。久々に骨のある攻撃を喰らったな〜。じゃあこっちも本気で行かせてもらおうか」
その瞬間、先程まで縛られていた布を引き裂き、
長い爪によって天蓋も半分に切られる形となった。
まずい....このままじゃ....
その時、僕にはオーラを出せるほどの体力はあまり残っていなかった。どうすれば勝てるのか....どうすればみんなに会えるのか....そんなことが頭を駆け巡っていた。