新たなる旅へ
僕ミナトはマイという少女のお姉さんを探すために
新たなる旅に出ることになった。
「ねえマイ。次に行く街ってどこなの?」
僕たちは駅につき、その駅で切符を買い、次の目的地である街への汽車を待っていた。
「トウってところ。色んなところから様々な商人が集まってきてて、結構な賑わいを見せてるらしいの。」
そう話していると早速汽車が到着し、僕たちは乗り込んだ
二人席に座り、汽車は汽笛を鳴らしながら発車した。
窓には街の風景のほかに奥には山も見え、僕はその景色を
食い入るように見ていた。
「トウって後どのくらいで着くの?」
僕はマイにそう質問すると、マイは地図を広げて答えた
「ここからだとあと、2駅ぐらいだから、1時間ぐらいかな。」
1時間か......トウまではまだかなりかかるが、それまで
この景色を堪能できることに嬉しさを覚える自分もいた。
1時間後
「やっと着いた〜!!」
マイはそう言いながら、汽車をおり、僕もそれに続いた。
そして、駅から街に出るとそこには多くの人々がおり、
道には多くの商人が衣類や食糧などを売っていた。
「とりあえず、ここら辺の商人の人に聞き込みをしてみよっか。」
マイはそう言いながら、お姉さんの写真を取り出し、
近くにいた商人に聞き込みを行った。
「すいません!この人見かけたことありませんか?」
「いや、見てないね。」
商人は写真を凝視した後にそう言った。
「そうですか。ありがとうございました。」
マイは少しだけ落ち込んだような表情を見せた。
「大丈夫だよ。まだ時間はあるし。」
僕はそう言ってマイを励ました。
「うん。そうだね!よし!頑張ろう!」
マイはそう奮起し、別の商人のところへと歩を進めた
「すいません!この人見かけませんでした?」
「ん?いや〜見てないな。」
「そうですか。ありがとうございました!」
マイは礼を言い、移動しようとしたが、ミナトはその場から動かなかった。
「どうしたの?ミナト?」
その視線の先にはロシアのウシャンカのような黒色の帽子があった。
「どうした?坊や?これが気になるか?」
商人はそれを見つめるミナトに話しかけた。
「あ!いや!違います!すいません!」
僕はそう言われ、必死に否定した。
「もしかしてミナト、これが欲しいの?」
マイはそんな様子のミナトを見て、そう言った。
「いや!そう言うわけじゃ......」
しかし、それを聞いたマイは僕をみて笑いながら
「せっかく来たんだし、これぐらい買っても大丈夫だよ!」
「いや、僕なんかのために姉さんを探すために貯めたお金は使えないよ。」
そう否定したが、マイはその笑顔をこちらに向けながら
「帽子一つぐらい買ってもバチは当たんないよ!
おじさん、それいくら?」
「2700エールだ。ただ、今回は坊ちゃんに免じて1400エールで売ってやるよ。」
そうして、帽子を購入し、商人のおじさんは僕に被せてきた。
「お!なかなか似合ってるじゃねえか!」
「うんうん!ミナトすごい可愛いよ!」
二人にそう言われ、僕は恥ずかしくなり、帽子をさらに深く被った。
「ところで、あんたら旅行者か?」
そうしていると今度は商人が僕たちにそう問いかけた
「あ、はい!一応。」
マイがそう答えると、商人は小声で話しかけてきた。
「ここら辺じゃ、最近旅行者を狙った強盗騒ぎが頻発してるらしいから気をつけろよ。」
「わかりました。ありがとうございます!」
その忠告を聞いた後に、僕たちは再び聞き込みを続けた
3時間後
「ふぅ〜。結構聞いたけど、収穫なしか〜」
僕たちは近くの椅子に腰をかけた。
あたりはもうすっかり暗くなっており、人通りも少なくなっていた。
「とりあえず、今日はどこか泊まれるホテル探そうか。」
マイはそう言い、立ち上がると僕も椅子から降り、
ホテルを探した。
「よし!次の街への駅も近いし、ここにしよう!」
マイはそう言うと僕と一緒にそのホテルに入って行った。