抵抗
ダメだ....やっぱり体が動かない.....このままじゃ....
「名残惜しいけど、ここでばいばいってことで」
意識も朦朧としてきていた。みんなに早く合流しないと
なんとかしないと.....
「!!!なにッ!!」
その時、後ろから何やら布の切れ端のようなものが彼女の体を縛り上げるようにして巻きついた。
あの色は......
僕はさらに奥を見るとそこには攻撃でボロボロになっていたはずのカーペットが立ち上がり、擬人化した手の部分を
縄のようにして縛り上げ、動きを制限させていた。
「クッ!!そんなにボロボロになってもまだ動けるのね
やるじゃない!」
すると、今度は彼女の下が少し暗くなり、その上を見上げると先ほどのシャンデリアがガラスの一部を彼女の方へと構えていた。
「フフッ!ようやく面白くなってきたわね!」
彼女は体に力を込め、締め付けていた縄状のカーペットを破り、頭上からのガラスの嵐を瞬時に避け切った。
「フ〜。あれを喰らってたらただじゃ済まなかったでしょうね〜」
避けた反動で服についたであろう埃を取り払い、
すると紫の糸が今度はピアノの線のようにピンと張られ
細長い爪のような形状に変化していた。
「私もあなたほどじゃないけど、いくつか技の種類は持ってるのよ。そのうちの一つを特別にあなたに披露してあげる」
「縫合と束縛」
呪文のように彼女がその言葉を発するとその糸はカーペットやシャンデリアの体全身を駆け巡り、破れたり欠けていた体を次々に繋ぎ合わせて行った。
「勘違いしないでね。これは治療じゃなくてさらに苦しみを味わうための促進よ」
「どういうことだ?」
「フフ。例えばこういうのとかかしら」
そして、彼女が指を鳴らすと糸が反応し、発光しだすと
二人の身動きが取れず、床に崩れ落ちるように座り込んだ
「私の糸は私の意志のままに動いてくれるの。あなたが操っているその二体も私次第ですぐに潰すことができる
それにあなたの今の力じゃこれぐらいが限界。
あなたの運命は今私の手の内にあるも同然よ」
「はぁ....はぁ....」
どうすればいい....どうすれば.....
僕は思考を凝らした。
どこかに必ず打つ手があるはずだ。
僕は自分自身にそう言い聞かせていた。
そうしないと自分がこのままだと本当にやられてしまうと感じていたから.....




