消える虚像 荒ぶる炎刀
「フフフ.....どうしました?攻撃しないのですか?」
どっちが本物なの.........
私は焦っていた。他人から見ればわからないような
けれども確実に私の心の中は焦りからくる小刻みな震えが
体中に巻き起こっている感覚があった。
「なら.......こちらから行かせていただきますね」
そう言いながら、先ほど刀と交えた杖のようなものを取り出し、今度はその棒をまるで竹をさくかのように
同一の杖状のものが現れ、その二つの杖をクルクルと回し始めた。
「!!!」
次の瞬間には私の目の前に現れ、私は刀で杖からの攻撃を防いだが、もう一方の杖は私の腕を捉え、私の防御の体勢はあっけなく崩れ、後ろからはもう一体の仮面の人物が
迫り、手には何か鉄の爪のような武器をはめていた。
私は咄嗟に刀に炎を纏わせ、それを振るった
「おおっと」
しかし、二人は燃えることすらなく、その姿はパッとどこかへ消えてしまった。
「やはり、炎は厄介な能力ですね」
しかし、その声は再び私の耳を貫き、あたりを見回しても
その人影は見えなかったが、確実にその声を認識することはできた。
「フフフ.....上、見てみてください」
「!!!!」
その言葉通りに上を見ると仮面の人物は私の真上におり
その杖で再び私を強襲した。
「私だけ見ていても勝てませんよ」
そう言い放つと、今度は私の横に先ほどの爪状の武器を持った仮面の人物が現れ、私は咄嗟にその攻撃を避けた
「全く......すばしっこいですね。さて、そろそろ片付けますか」
そういうとまたしてもどこかへ姿を消していった。
どうしよう......なんとか....方法は......
そうだ!この方法なら少しはまともになるかもしれない
私は即座にその場所を走り出した。
それはこの部屋の壁を背後にし、仮面の人物からの挟み撃ちにもおそらく対抗できる。
さぁ.....どこからでもかかってきてもいい
今の私の気持ちはこういうものだった。