手荒い歓迎
ミナトたちとはぐれ、城館の個室へと移されたマイ
合流を図るべく、出口を探そうとするマイだったが、
その前には挨拶をしながらこちらを見下ろす謎の仮面の男と対峙することになった......。
「あなたは........」
あのホテルにいた仮面のやつと似てる......一体何者なんだろう.......
「これはこれは。申し遅れました。私の名はドッチェ。
以後よろしく」
自己紹介を終えると、またしても軽くお辞儀をしてみせた
「あなた....いやあなた方は、我が主がお住まいのこの城館に言わば招待されたのです」
「どういうこと?......なんで私たちを招待する必要が?」
私たちを招待?......ケイを攫った人物も言ってたけど、
一体何が目的でこんなことを.......
「本当にお心当たりはございませんか?例えばここにくる前の出来事のことなどで.........」
ここの前の........もしかして.........
「その表情はどうやら勘づかれたご様子ですね。そう、
あなた方がここに来るまでの間に倒した二人の人物
あの二人は我が主の配下にしてこの城館までの道のりを守護するものたち。その守りをあなた方は史上初めて破られたというわけなのです」
じゃあ、あのホテルの時の仮面の男と汽車での老婆は
仲間だったってことね.........。
でも、だったらなんで..........
「なら、歓迎ってどういうこと?私たちはあなたたちの仲間を倒してここにきたのに.......」
すると、私のその言葉を聞くと、仮面の人物は少しばかり
震えだし、私は怒りをあらわにしたと感じ、刀の鞘に手をかけ、臨戦態勢を取る形となった。
「フ.....フッハッハッハッハ!!!!!!フフ....ハハハ!!」
私の予想とは裏腹に突然、部屋中に響き渡るほどの大声での笑い声を発し、先ほどから土台としていた机に膝から崩れるほどに笑っていた。
「ハハハ....確かにあなた方を歓迎する理由は私たちにはありませんな.....しかし....歓迎と言っても様々ありますな」
その瞬間、仮面の人物はその机から音や残像すらも残さないほどのスピードで消え去った。
「例えば....こういう手荒い歓迎などでしょうか.....」
その声はいつのまにか、私の背後を捉え、振り向くとすでにその姿は私の真後ろに控えていた.......