ある男児
その森には冷たい風が吹き、辺りの木々を揺らし、
揺れる音は荒れながらもどこか静けさも伴っていた。
その森の中に一人の男児が横たわっていた。
「ん......ここは......」
年齢はまだ幼児のようであり、黒いコートのようなものを羽織っている。
男児は目を覚まし、辺りを見回した。
「僕は.....一体......」
男児は立ち上がると、途方もなく歩き出した。
「はぁ.....はぁ....」
あたりは一層暗くなり、不気味なほどの静けさが漂っていた。
「!!」
その時、男児は背後に迫る何かの気配を感じ取った。
「誰だ!!」
振り返るとそこには一匹の大きな熊が男児を睨みつけていた。
「グガァ!!!!!!」
熊は雄叫びを上げながら、襲いかかってきた。
「はぁ!......はぁ!....」
男児はひたすら走った。しかし熊はすぐにその背後に迫っていた。
「うっ!!!」
地面に転がっていた石につまづき、男児はその場に倒れ込んだ。
熊は鋭い牙を光らせながら、こちらを見ていた。
「嫌だ!.....死にたくない!.....」
男児がそう叫んだその時、その手に紫色のオーラが出現した。
「はぁ....はぁ...これは.....」
熊はそのオーラを見て、身を少しばかり後退させた。
「これなら.....」
「グガァァァァ!!!」
熊が再び襲いかかると、男児はそのオーラを指に集中し、
熊に向かってそれを放った。
しかし、その弾を熊は瞬時に避け、エネルギー弾は奥の茂みの方へと消えていった。
「グガァァァァ!!!」
熊は怒ったように身を立ち上がらせ、
男児は立ち上がり、必死に走り出した。
「はぁ......!!はぁ.....!!」
しかし、男児の体力はほとんど尽きており、その場に倒れ込んだ。
「ガァ!!!!!!!!」
熊はさらに雄叫びを上げ、男児に向かってその鋭い爪を
振り翳した。
「ガァァァァァァ!!!」
その瞬間、熊の背中から大量の血が吹き出した。
「はぁ...はぁ....誰....だ....」
そこには熊よりも一回り大きな巨大な影がこちらをのぞいていた。