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おじさん世話をされる

 今日で赤髪女神のアイリーンさん、大きな獣人のセイランさん、大食いエルフのリジーさん、天才中学生のエナさんとお別れだ。


 彼女たちの人種か種族は確認できていないので、仮称ではあるのだが。


 ほとんど猪の解体と肉の加工と焼き肉大会しかしてないけど、林業的な仕事はしなくて良かったのだろうか?


 しばらく食いつなげる保存食が手に入ったのは、ありがたいんだけど私から渡せるものがないのが心苦しい。角スコップ持って行く?


 言葉は通じないが、とても仲良くなれたと私は思っている。

四人も同じように思っていてくれたら嬉しいが、おじさんには高望みかな。


 でも、この四人しっかりしてるんだけど、無防備なところがあるから心配だ。


 水浴びをしたあとは身体に張り付いた服のままうろうろするし、気がつけば下着で焚き火を囲んだりするし、私心配です。


 この世界では大先輩の四人を心配するのは失礼かと思い直し、終わった朝食の片付けや身支度をしながら、四人との短いが濃密で楽しかった思い出を振り返る。



 猪を解体して終わりではなく、肉を骨から離したり、猪の頭に着いた軽トラのフロントガラスの半分くらいの面積を持つ硬い部分を取り外したり、毛皮は加工できないしいつダメになるのかわからないし、燃やすのも大変だからセイランさんが切り取っていた部分以外は、焚き火の灰や内蔵の燃えカスなんかと一緒に埋めることになった。


 毛皮の敷物に憧れたけど、加工していない毛皮はリスクが高い気がした。


 取り出した大量の肉は、毎日三食大食い焼き肉大会が開催され、セイランさんとリジーさんがとんでもない量を食べ、対抗して食べるもお腹をぽっこりさせて転がるエナさん、ニコニコしながらなかなかの食欲を見せ、私になにかと気を使ってくれるアイリーンさんはやっぱり女神である。


 それでも余る大量の肉は、金髪大食いエルフのリジーさん主導で焼いたり干したり燻したり、なにかの大きな葉っぱを取ってきて包んだりなどなど、私には全くわからない加工作業を行っていた。


 もちろん私の担当は人間重機なので、木や大きな石などをエナさんに指示されながら抉ったり組んだりして、なんか骨組みだけの小屋? 台? を作っていた。ここで肉を干したり燻したりするらしい。


 ずっと作業していたわけではなく、セイランさんと力試ししたり、リジーさんに食料の加工を教わったり、エナさんが私の穴蔵を発見して騒いだり、アイリーンさんが私の髭を剃ってくれた。


 やっぱりセイランさんはとんでもないね。単純なパワーなら私の方があるのだが、それ以外勝てるところがひとつもない。あんなに大きな体なのにとても身軽で技術もすごい。


 最初は私も恐る恐るだったけど、最終的には癖なんかを完全に把握したのか正面からも押し負けて、空中でくるくる回されて脇を持たれキレイに着地させられた。


 ポカーンとしてたら、めっちゃいい笑顔で豪快に笑ってた。



 リジーさんは、食に関することを教えてくれた。


 魚の捌きかた、肉の加工などなど完全にド素人の私が、道具が少なくてもやれることを教えてもらった。


 私が森で見つける食料は運良く毒性は無かったり低かったりするけど、危ないよと簡単に見分ける方法を優しく教えてくれた。


 幼い子を見る目だったのは気のせいに違いない。



 エナさんは、私の作った穴蔵を気に入ってくれたみたいだった。


 避難所の穴蔵を見つけて興味津々だったから近くのでっかい木に登り、素手で木をむしったり抉ったり、中を手の平でできるだけ滑らかに加工して、エナさんにどうぞと身振りすると、目をめっちゃキラキラさせてバシバシ私を叩いてきた。喜んでくれて何よりである。秘密基地みたいでいいよね。


 しかし、この子もとんでもないよ。私の身長の倍ほどの高さを軽く一歩で飛び上がったんだもの。



 アイリーンさんは、私をとても心配してくれた。


 ナイフで私の髭を剃ってくれたり、食事は隣で世話を焼いてくれたり、作業着の破れた部分を縫ってくれたりなどなど、私の保護者のように振る舞っていて、やはり女神だった。


 その女神もやっぱり能力は高くて、セイランさんやエナさんと一度模擬戦をしていたんだけど。


 持っているのが落ちていた枝なのに、いつ振ったのかわからない程速い。


 体捌きも身軽どころか残像できてない? セイランさんとはいい勝負するし、エナさんは完全に稽古をつけている感じになっている。


 リジーさんはしなくていいの? と私が首を傾げると、杖を持って何事か呟くとリジーさんの前に水が集まってバスケットボール程の球体が出現し、川に飛び込んで水柱を上げていた。


 ポカーンとする私と、上品に笑いながら川に浮かんだ魚を回収するリジーさん。もう突っ込みどころが多くて頭がいっぱいだよ。



 そんな感じで四人に世話を焼かれていることが多いなと愕然としているとアイリーンさんから「ゴンゾウ」と呼ばれる。


 四人は出発の準備を終わらせて、大量に食べた焼き肉のせいなのか、ちょっとテカテカしてる顔で並んでいた。


 これで一旦お別れだね。寂しくなるなぁ。



 おや? アイリーンさんめっちゃ気合い入ってない?


お読みいただきありがとうございます。


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