表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/73

第24話 始まりの予兆

俺たちもリーノの後を追いかける

リーノはエダフォス、俺たちはペルルのことが心配になっている

俺たちがサラマンダーのもとにつくと、サラマンダーが暴れていた

サラマンダーが暴れている? なんでだ?


ペルルは大丈夫なのか?

ペルルはエダフォスが守ってくれていた

ペルル自体は気を失っているように見えた

ホッとしたのもつかの間、ペルルを守ってくれているエダフォスはひどく傷ついて見えた


俺が守ってくれと言ったばかりに、エダフォスを危険にさらしてしまった

リーノはエダフォスを助けに行こうとしていたが、サラマンダーがあまりにも暴れすぎていて近寄れない

サラマンダーの強さは俺も身に染みて分かっている

だから容易には近づけない

一体どうすれば……


三人の中で一番攻撃に自信があるメランも、さすがに守り主相手にやすやすと手は出せない

何もできないと感じたリーノはその場に泣き崩れた

こうしている今にもエダフォスはサラマンダーの攻撃を受けている

俺達には何もできないのか……


エダフォスはあの性格だからか、必死にペルルを守ってくれている

だが、このままずっと攻撃を受け続けていると、いくらエダフォスと言っても死んでしまう

俺がどうすべきか迷っていると、気を失っていたはずのペルルがいきなり起き上がった


「お、おい 君、今何が起こっているのか分かってるのか!?」


エダフォスがペルルに叫びながら言った

確かに気を失っていたのに起きたのも不思議だが、それにしても今起き上がるのはまずいだろ

そんな俺たちの警告も聞かずに、ペルルは立ち上がった

それどころか、歩きだす始末だ


「な、なんなのあの子 エダフォスが守ってくれているというのに何でじっとしていないの?」


リーノもあまりのペルルの変な行動に混乱している

俺もメランも何が起きているのか分からない


急に起き上がったペルルは、エダフォスを代わりに守っているように前に立った

ペルルはサラマンダーの攻撃をものともせずに、きれいな仁王立ちを決めていた

おいおい、一体何がどうなってるんだ?


サラマンダーは、急に立ち上がったペルルに狙いを定めた

俺はさすがに危ないと思い、助けに行こうとした

無謀だとも思ったが、一応は姫だ

そう簡単に死なせてたまるか


俺が激戦の中に飛び込もうとすると、ペルルが右手をサラマンダーの方に向け


「爆ぜろッ!!」


と、一言言う

その瞬間、サラマンダーが爆発した

それも特大な爆発音に混ざって飛んで行った


「「は?」」


俺とメランは同時に言った

サラマンダーは大きく飛んでそのまま地面に落ちた

ズドンと大きな音を立てて、落ちた


「動かなくなったが、もしかして死んでしまったのか?」


俺はあまりの衝撃にそうつぶやいた


「いや、それはないと言える 守り主が死ぬときはその地が終わるときと言われている そう簡単に守り主は死なない」


メランが俺の発言を杞憂だと言い切った

あんなに強いんだからそう簡単に死ぬわけないか


それはいいとして、ともかくサラマンダーの攻撃は止まった

俺がペルルのもとに駆け寄ろうとすると、リーノが勢いよく横を通り過ぎていった


「エダフォス!! 大丈夫だった!?」


リーノがすごい気迫でエダフォスに迫って、エダフォスの体を隅から隅まで見ていた

これは、ファイロに勝ち目はないかもな

見た感じ、エダフォスにそこまで命にかかわるようなケガはしていなかった


「それはそうと、ペルル! お前大丈夫なのか! 急に立ち上がってびっくりしたじゃないか!」


「ほえ? 私何かした?」


ペルルは自分がしたことを覚えていないようだった

おそらくペルルの中のミセリアが力を貸してくれたのだろう

ペルルが死んでしまうと中のミセリアも死んでしまうから、力を貸さざるを得なかったのだろう


「これはどういうことなんだ? リーノ、さっきジャリードから何か言われてたじゃないか 何を言われたのか聞いてもいいか?」


リーノはしばらく言いずらそうにしていたが、エダフォスに話すように言われ話し始めた


「うん さっきジャリードから通信があって、守り主の体の一部が欠けると暴走してしまうらしいの」


暴走!? しかも体の一部が欠けると?

となると、サラマンダーの鱗を取ってくるというのは不可能に近いというか、死ねと言っているものじゃないか


「そう、そのことをソルは精霊王だったからもちろん知っていたはず なのにエダフォスにその話を持ち掛けた 何か企んでいるに違いにないわ!」


リーノは息を切らしながら言い切った

そんなバカな

精霊王が自分の子供のような精霊を殺そうだなんて、そんなことが許されていいのか

俺たちはソルを問い詰めに、ソルがいる場所に案内してもらうことにした

ペルルの体調もだいぶ良くなったみたいで安心した


エダフォスの案内でソルがいる小屋に案内してもらった

ソルはここで何かよく分からない研究をしているらしい

ますます怪しい


俺はドアをノックすることもせず、扉を蹴破った

しかし、小屋の中はもぬけの殻だった

まるで元から誰もいなかったかのような静かさだった


「本当にここにいたのか? どこかと間違ってるんじゃないのか?」


俺は気になってエダフォスに聞いてみた

すると、なぜかリーノが反抗してきた


「何よ! エダフォスの言うことが信じられないっていうの!? 今までエダフォスが嘘をついたことなんて一度もないわ! 氷の精霊王に誓っていえるわ!」


声を荒げて言った

別に気になって聞いただけだから

特に信じてないとか、そう言った感情はない


これからどうしようかと考えていると、エダフォス宛に通信が入った

相手はファイロのようだ

漏れ聞こえる声を聴くところによると、ケルベロスの様子がまたおかしいらしい

今度は前に戦った時よりも狂暴になっており、さすがのプロクスも手が付けられないらしい

精霊の世界で何が起きているっていうんだ?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ