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第6話 黄金の角鹿 VS Bランク冒険者

逃げ出した黄金の角鹿を行先を見失わないように、まだ時間が残っている黄金鳥の羽を使って再び空から探すことにした

この黄金鳥の羽は時間が経つにつれ黒く染まっていくみたいだ

今俺の持っている黄金鳥の羽は、半分くらい黒くなっていた

全て黒くなる前に間に合うか微妙だな


空から見ると、黄金の角鹿は余程驚いたのか一心不乱に走っている

まだまだ止まりそうにない

これは長くなりそうだ


俺は、黄金の角鹿を逃がしたペルルをじとーっとにらんだ

その俺の目線に気づいたのか、ペルルが俺に向かって


「わ、私は悪くないわよ 私はただ黄金の角鹿を捕まえようとしただけ」


と、言い開き直っている

この性格、どうにかならないのか?


「何にでもタイミングがあるんだ。 少しは待つことも覚えろ いくら王女だと言ってもそれぐらいは守ってもらわないとこの先も困るぞ」


俺は、ペルルに少し強めに言った

俺にそう言われて、ペルルはシュンとしている

少しは反省したのか


険悪な雰囲気の中、黄金の角鹿が走るのをやめた

それと同じタイミングで、黄金鳥の羽は真っ黒になった

その羽は黒くなった途端、灰になって消えた

俺達の体はゆっくりと下へ降りていった


黄金の角鹿は走り疲れたのか、水を飲んでいた

その姿を見て、ペルルが


「私も飲みたい。 喉乾いた」


と言った

確かにここまで何も飲んでいないが、それは俺もメランも同じことだ

俺は飲み物が飲みたいというペルルに


「我慢しろ。 ここまで来たんだ。 ここで逃がしたら今度こそ捕まらなくなるかもしれないだろ」


と、結構強めに言った

言われたペルルは、頬を膨らませて唇を尖らせた

そんなことしても可愛くないぞ


だが、ここまで来たんだ

ここからは慎重に行くとしよう


黄金の角鹿が俺たちに背を向けている間に、俺は光の魔法で姿を消した

姿は消したと言えども、足音は聞こえる

なるべく足音を立てないようにしながら、黄金の角鹿に近づいていく


そして、俺が闇の魔法で黄金の角鹿を捕まえた

そのことに喜んだペルルが、黄金の角鹿に近付く

ペルルが近づいたとき、メランが止めた


なぜ止めたのか俺には分からなかった

メランは何かを持っているようだった

だが、俺には見えない


メランが言うにはペルルの背中から黒い手がはえてきたという

その黒い手が黄金の角鹿に襲い掛かろうとしていたそう

相変わらず俺には何も見えなかったが


黄金の角鹿は魔物によって改造された危険生物だとか

黄金の角鹿は体内に人間に有害なガスをもっているとメランは言う

闇の魔法で捕まえられ暴れている、黄金の角鹿を片手で気絶させた

さすがドラゴン族最強の黒龍だ

黄金の角鹿を片手で気絶させるなんてさすがだな


メランが黄金の角鹿を気絶させたと同じくらいに、俺とペルルの冒険者カードが更新された

二つ目の試練も完了したようだ

この調子なら早めにBランクに昇格できそうだ


黄金の角鹿はこのまま放っておくのは、危ないので一旦ギルドに持って帰ることにした

さすがに背負って歩きながら、帰るのは無茶で無謀だ

仕方なくメランに乗せて帰ってもらうことにした

メランはまだペルルの背中から生えた黒い手について、またブツブツ言っている

別に誰もケガとかしてないんだからいいのに


メランに黄金の角鹿を乗せて帰ってもらい、ギルドに着いた

ギルドに戻ってきたが、なにやら入り口の前に人だかりができていた

何があったのか知りたかったが、まずはこの黄金の角鹿をギルドで何とかしてもらわないと


ギルドの中は、前に来た時よりも人が少なくなっていた

何か変わったことでもあったのだろうか

ギルドの職員たちも、忙しそうにしている


「あ、あのー この黄金の角鹿を何とかしてほしいんですけど……」


「ああ、はいはい。 Bランクの試練の方ですね。 ちょっと今立て込んでいるのでちょっとお待ちいただけますか?」


待たされることになった

それだけ忙しいのだろう

何があったのか分からないが、あまり首を突っ込まないほうが良さそうだ


「はい、お待たせしましたー」


しばらくして女の人がやってきた

なんだか疲れているみたいな感じだ


「何かあったんですか?」


俺は興味本位で聞いてみた


「ああ、別に大したことじゃないですよ。 それよりその黄金の角鹿を渡してくれませんか?」


なんかぶっきらぼうだな

本当に何があったんだ?


俺達はギルドに黄金の角鹿を渡して、ギルドを後にした

忙しそうなので、あまり長居するのも邪魔になるだろう


ギルドから出ると、人ごみはきれいになくなっていた

もう騒ぎは落ち着いたのだろうか

ふと、足元に一枚の紙が落ちているのを見つけた


「そんなの拾わないでよ。 汚いわ」


ペルルは、ギルドで買ったよく分からない飲み物を飲みながら軽蔑するように言った

俺はただ落ちている紙を拾っただけでそういわれたが、そんな言葉は俺に耳を右から左にすり抜けた

ここで言う号外みたいなものらしい

内容は誰が見ても衝撃的なものだった


『狂気の魔王、再復活!? 人々の未来はどう変わる?』


その言葉が大きくでかでかと書かれていた

まさかあの魔王が復活したのか

俺が聖剣一振りで倒した、あの魔王がまた復活したのか

確かに魔王は復活しがちな奴だし、倒した時にも必ずお前に復讐してやるとか言ってたな

だが、今さら何のために?


復活するにしても動機が分からない

そうだ、白ベルなら何か知っているかもしれない

そう思い立った俺はメランに乗って、白ベルの元へ向かうことにした

メランには迷惑かけてばっかりだ

いつかお礼でもしてやらないと

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