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第七話:襲来

なにか変なことが起きてしまった。


 窓から差し込む日の光で、俺は珍しくすんなりと目が覚めた。

 時計を見る。六時三十五分。部屋は何の音もしない。しかし、何か変だ。能力を得てから敏感になった俺の五感+αがそう告げている。何なんだ。何も変わったことは……ん? 『何の音もしない』? そうだ、それだ。

 この時間になれば、日の光とともに起きた小鳥が鳴いているはずだ。それに、この部屋の時計は結構音をたてて動く。

 なにか変なことが起きてしまったようだ。


 とりあえず服を着がえて部屋を出る。たしか親父はまた出張だ。ちなみに、涼子が来てから親父は結構明るくなった。「オジさんと結婚しないか」とか「風呂一緒に入ろうよ」とか、かなりセクハラぎみな発言を(涼子に)よくしてる。あれじゃただのエロオヤジだ。…そして、涼子の部屋は鍵がかかっていた。まあ当然か。レオに至っては所在不明。さてどうしたものか。


 よし、外に出てみよう。決定。


 さて、外に出てみたはいいものの、やはりおかしい。朝六時台なら普通結構人はいる。今はまったく見当たらない。何なんだ。……いや、いた。80mほど離れたところに、ぽつんと立っている人がいる。何やってるんだあんなところで。ゆっくりと近付いてみる。

「……っ?」

 思わず息を飲む。自分じゃわからないが、多分相当顔が引きつってる。…その人は、おそらく新聞配達なんだろう。新聞を投函しようとしたところで、完全に止まっている。

 何が起こってるんだ。


 そして、そばの道路で、俺はさらに顔が引きつる事になった。


 これが写真だったら違和感はない。しかし、現実には…おかしい。信号は動かない。車も全てが完全に停止している。中に乗っている人も。そして…スズメなどの鳥でさえも、空中で羽ばたきかけつつ止まっている。

 どうやら時間が止められているらしい。何者かによって。


 その瞬間、なにか言語では説明できない感覚が生じ、後ろを振り向いた。そして、飛んで来た物をギリギリでよけた。

 飛んで来た何かは、…爪だった。


 っ左だ!そんな声が聞こえた、…気がした。俺の心の声か、第六感の知らせだったのかもしれない。

 とりあえず、左から飛んで来たものを避け、そのままそれが飛んで来たと思われる方向に飛んだ。能力の関係でかなり身体能力も上がっている。体育の時間とか隠すのが大変だ。…そして、そのままそこにいた人影に飛びかかり、組みふせた。

「おーし捕まえ……って親父?」

 何?

「出張じゃなかったのか?」

「出張と偽ってあなたの元服の準備をしていたのですよ。」

「何でお前までここにいるんだ?レオ。そしてなんだ元服って。」

「昔の成人式です。猫神家は能力を得れば成人なので。」

「もうちょい詳しく説明しろ。」

 あいつらの話をまとめるとこんな感じだ。猫神家は能力を得た時点で成人とし、その一ヶ月後に『試練』を行うらしい。猫又のジジイの能力で時を止め、その時の当主(つまり今は親父)が攻撃を加えて対応を見るらしい。何の役に立つのかさっぱり分からん。

 涼子も試練を受けてなんとか切りぬけたらしい。親父の姿を見ることも出来なかったらしいが。

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