第六話:はじまり
ごく普通の、季節外れに暑い日だった。
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「……やっぱつまんねえ。」
「まあそう言わず……」
説明しよう。今は学校にいる。そして……
「ところで、何でお前がここにいるんだ?レオ。何か用か?」
「いえ、ちょっと心配で……」
「何がだよ?」
「カグヤさまの成績……いて。殴らないで〜。」
「帰れ。」
「え〜?…でも、実際心配なんですよ。」
「俺の頭がそんなに悪いとでも?」
以外かもしれないが、俺は成績は結構いい。手を抜いてる体育以外。
「いえ、冗談抜きでカグヤ様の安全が心配なんですよ。」
「進級の?」
「いいかげんそこから離れましょうよ……(^ ^;)」
「何だ、ここで俺の身に危険が迫るとでも?」
「まさにその通りです。」
「Why?なぜ。」
「あなたは次期当主、いや実質当主です。」
「…そういうことか。」
「そろそろ来そうな気がするんですよ。」
レオの予感は当たってしまった。
…そう、全てのはじまりは、この翌日だった。
ゆっくりと空を見上げる。
人の手で模倣するのは不可能に近そうな、澄みきった深い青。
そして、白い、『絵の具を流したような』というのはこんなだろうと思えるような、でも絵の具よりずっと輝く雲。
この空の下に、親父や涼子といった仲間もいれば、レオのいう敵もいるのだ。そんな事を思いつつ、空を眺めていた。
ごく普通の、季節外れに暑い日だった。
作者は空マニア(?)です。