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第五話:能力(ちから)

「猫守の能力は、『時』がくれば自然に現れます。」

 さて、実は俺は、13歳になって得た能力(ちから)のことをほとんど知らない。むしろ能力の存在を忘れていた。だが、涼子の件で思い出したわけだ。

 …ということで、レオを呼び出して聞いてみた。

「お呼びでしょうかカグヤ様。」

「様つけなくていいって初登場で俺の相談役のレオ。」

「説明的ですね。」

「しょうがないだろお前一話で名前出ただけなんだから。」

「…で、何ですか?」

「いや、俺の能力って具体的にどんなの?」

「……」

「どうした?」

「いえ、私感動致しました!!」

「はぁ!?」

「カグヤ様が自分から能力のことを知りたがるとは!!これで天国の夏彦さまも…」

「失礼だなオイ。あと親父死んでないし。」

あ、夏彦って俺の親父の名だ。ちなみに冬生まれ。

「…で、俺の能力ってどんなの?」

「猫守の能力は、『時』がくれば自然に現れます。」

「どういうことだ?」

「必要に応じて能力が目覚めていくのです。そして、『付き人』、つまり私は、能力が現れればそれに気付き、猫守に知らせると言う役割があります。ちなみに、今あなたは基本の猫語理解や身体能力の他に『変身(トランスフォーム)』の能力があります。」

「トランスフォーム?」

「ええ。涼子さまのように猫の姿になる能力です。あなたの場合任意でやるもののみです。」

「へぇー。」


 この『変身(トランスフォーム)』がこんなに早く使われることになるとは…

「…夢にも思わなかったぞ!」

 今俺とレオは必死で走っている。ついさっき出た能力、『姿隠(インジビリティ)』を使っているので、俺とレオの姿は俺たち以外には見えない。

「遅いなレオ!」

「いや、これが限界です。…猫とチーターでどんだけ脚力違うと思ってるんですか。」

 そう、俺の『変身(トランスフォーム)』した姿は、なぜかチーターだ。人によって様々な変身をして、ネコ科のライオンやチーターになることもあるらしい。

 目的地に着いた俺たちはかなりの急ブレーキで止まり、俺はインジビリティはかけたまま人の姿に戻った。

 警戒しつつ中に入る。そしてそこにいた涼子に、持ってきていた袋を渡した。

「まったく、何で俺がお前のために長野まで行って水晶とってこなきゃならんのだ。」

「ほら、半分はカグヤの分でいいから。」

 実に平和な、ある暑い日の事であった。

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