第三話:従兄妹(前編)
「このクラスの姫神カグヤの従妹の、姫神涼子です。よろしくお願いします。」
マジかよ。
「カ〜グヤっ!!」
いきなりふとんをはがされた。何なんだ?女の声に聞こえたが。この家には女はいないはずだ。
目をあけると…そこには俺と同年代のように見える少女がいた。
「…誰?」
…そいつの話を要約するとこんな感じだ。
親父は猫神(姫神)家の直系の血筋(その親父の長男たる俺も)だが、その親父には弟がいた。
その弟が、25才にして化け猫になった28才の化け猫と結婚し、猫神本家(俺と親父)と同等の力を持つ分家が出来たのだという。
そして親父の弟(叔父)の娘がこいつなんだそうだ。つまり従兄妹だ。ちなみに、同い年で、こいつも能力を持っているという。
何か納得できないものがあるが、まあいいだろう。
「で、その従兄妹が、なぜここにいるんだ?」
「猫又のおじいさまに頼まれて。カグヤの世話をしてくれって。」
「レオは?」
「いや、身の回りの世話は女がいいだろうと。」
「まさか俺の学校に転校してきたりしないだろうな。」
「もちろんそのつもりだけど?」
「つか、なんでそんなめんどくさそうな、まあ自分でいうのも何だが、そんな役をしにこんな所まで来たんだ?」
「猫又のおじいさまにはさからえないもん。あの人に敬意払わないのはカグヤだけよ。」
マジかよ。
まあ、いいか。
「ところで、お前の名前は?」
「姫神涼子。」
「そうか。よろしく。」
ちなみに、けっこうかわいい。あ、まあ従兄妹だから、法律上結婚できるのだが、決してそんなつもりはない。
ちゃんとクラスに好きな娘もいるしな。
あ、お前今以外だとか思っただろう。ちゃんといるからな。
そして、教室。
「おーし、HR始めるぞ〜。」
担任が入って来て...その後ろに涼子がいた。
「いいか、いつも言っているが、人間と言う言葉は、人の間、つまり人と人の関係を表している。人は一人では生きていけないんだ。」
また始まった。
「…ってわけで、今度から君達の『仲間』になる、…」
涼子に続きをうながす。
「このクラスの姫神カグヤの従妹の、姫神涼子です。よろしくお願いします。」
ざわめきが起こる。『あんな可愛い娘があの姫神の親戚?』とか、『同居してんのかな』とか聞こえる。
「はいはいみんな静かに〜。じゃあ、席は...」
「カグヤの隣って空席ですよね?」(涼子)
確かに俺の席は窓際の最後尾で、となり(女子列)は空席である。
「そうだな。じゃあそこにしよう。」
じっとりとした視線を感じる。この後うるさいだろうなあ。