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きっと私は幸せになる  作者: ねーさん
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生い立ち

私は中国の福清市で生まれ育った。

6歳の時にピアスに興味を持ち、ピアスの穴を開けた。高校生の頃は彼氏の家にほとんど居て勉強もろくにしていない。

高校卒業後、地元のデパートに勤めた。中国では、大学を卒業していないと給料も安い。生活していくためには、彼氏の財力が必要だった。

福清市は、華僑が有名だ。福清市では皆大きな家を建てる。鉄筋コンクリート4階建て。日本では考えられない程の豪邸を皆建てる。

そのお金は?  ほとんどが日本へ出稼ぎに行く。日本で稼いだお金を送金する事で福清は成り立っているといっても過言ではない。


高校卒業まで両親には迷惑をかけた。ろくに親孝行もしていない。父親は建設業で働いている。母親はバイトで近所の農家を手伝っている。

私が一番したい事。それは、古くなったこの家を建て替える事。そのためには・・・。このまま福清で働き続ける訳にはいかない。

今の彼氏といても、彼が稼ぐお金には期待できない。


国際結婚して日本に行く。そう私は考えた。親戚が日本にいるならば、家族ビザで日本へ行く事もできる。

でも私の親戚は日本にはいない。 日本へ行くためには、結婚するか留学するか しかない。

留学するためのお金は今の私には準備できない。

国際結婚のための業者へ登録した。写真とプロフィールを登録しれば、後は相手が選んでくれる。きっと、私よりずっと年上の相手になるんだろうな。

都会じゃなくて、田舎に住むことになるんだろうな。 でも、”まずは日本に行かなきゃ” それが最大の目的なんだ。


暫くして一人の男性からの申し込みがあった。歳は私より16歳上。日本の地方都市に住み公務員をしているおじさんだ。

彼は福清まで会いに来た。

私はその時日本語は話せない。彼も中国語を話せない。 携帯の辞書を頼りに、筆談で意思疎通を図り二人は福清を観光した。

優しい人だった。中国人と比べて。私を気に入った彼は、私の生活を心配し仕送りをしてくれた。

一年の間、彼は5回中国へ来た。そしてプロポーズされた。私に迷いはなかった。彼の事は好きという感覚はない。

でも、きっとうまくやっていける。何より私は日本へ行きたいのだから・・・。

日本へ入国するためのビザ申請も彼が行った。年齢が離れている場合、偽装結婚を疑われビザが下りない場合もある。

その心配はしていたけれど、数か月でビザが下りた。私は日本へ行くことを決めた。21歳の春だった。



初めての日本。居住地は地方の中くらいの都市。都会ではないけれど、大田舎でもない。

一軒家で、彼の両親と同居する。

お父さんは自営の骨董屋さん。お母さんはパート勤め。彼は一人っ子だ。

まずは日本語を覚えなきゃ。 彼の提案で”公文式” に通う事にした。

小学生用の国語の勉強から始め、少しずつ日本語も上達した。

彼とはうまくいっていた。私が日本語を覚えるにつれ会話も増えていった。よく彼の車でドライブへ出かけた。

海も山も近くにあって観光地も多く、生活は充実していた。そして、子供を授かった。女の子だった。



私には弟と妹がいる。弟は働き始めたが妹はまだ高校生。

当時の中国人からしたら、日本は夢の国だ。日本に居るだけでたくさんのお金を稼ぐ事ができる・・・と中国の人達は本気で思っていた。

そんな日本にいる私だから、両親に仕送りをしなきゃいけない。

結婚する時、彼にもその話をした。「ある程度なら・・・」と言っていた彼も、少しずつお金を出さなくなってきた。

自分たちの家のローン、車のローン・・。そりゃ日本の生活にもお金はかかる。でも、私は日本にいるのだから・・・。

娘がまだお腹にいる時、私は草むしりのバイトをした。バイトをして少しでも両親にお金を送りたかった。




山本さんは相変わらず週に2回来てくれる。

山本さん以外にも何人か指名してくれるお客さんができた。

有田さん、鈴木さん・・・。

仕事をしているうちに欲がどんどん出てきます。指名のお客さんを増やして、給料を上げて、実家の家を建て替えたい。

そのためには食事するだけじゃ駄目だった。食事以外にも映画や観光地にお客さんと一緒に行かなきゃいけない。

お客さんには2つのタイプしかいない。私とやりたいか、私と結婚したいかのどちらかだ。

結婚してる事も、子供がいる事も隠さなきゃいけない。でも、だんだんと私は嘘が付くのが上手くなった。

嘘を付くのはね、最初だけでいい。お客さんは皆、私によく思われたいから優しくしてくれる。

そうやって時間を重ねていけば、ある程度の人間関係が形成される。これにより、真実を話してもそのお客さんは逃げてはいかない。

そもそも、お客さん達は店に飲みに来ているのだから、嘘も真実も遊びの一つとして受け入れてくれる。

お金払ってるんだもん。最後は期待なんかしていないよね。


お母さんは夜働いている事をよく思っていない。そりゃ銀行員の息子の嫁が水商売やってるのは許せない。

ある夜お母さんが店に来た。「〇〇さん、何やってるの!?」 店に入って私を見つけ大声で叫びだした。

「仕事だから! 帰って!」 店の外で連れ出し、何度も言い聞かせお母さんは一旦帰った。

でも、次の日お母さんと旦那と話し合う事になった。

この話し合いは初めてではない。夜の仕事を始めてから何度も言い争っている。

「仕事はしてもいいが、水商売は駄目だ!」 

「他に稼げる仕事なんてない! 嫌なら自分たちがお金を出せ!」

そんな平行線の言い合いが続き、うんざりしながら過ごしていた。

店の仲間と、時々BBQへ行ったり、慰労会に行ったり、女子会をしたり・・・。そんな事が息抜きになっていた。


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