#7 兄はいつだって誰よりもお母さんを極めたいらしいですね
いじめの要素?自分も凄く気になってるんですよ
「穂乃夏~お友達きたよー」
「!ほんと!?」
穂乃果は四葉に飛びつく
凄い飛んだな…四葉はそう思ったが苦笑してリビングの方へ歩き始めたのだった…
「自分で歩きな~?」
「えへ~♪やだっ」
リビングにやってきた二人を、全員が特別驚くことはなく、そもそも二人のその光景は結構日常的によく見ている方で、一時期は送り迎えもしていたので見慣れている
といっても、四葉のトラウマが刺激されてからは家に来るか、買い物中か、そのどちらでしか四葉と出くわすことはなくなってしまったけれど…
しばらくの雑談の後、一人が鞄を漁る
「それでね、えっと……あった!宿題っ」
それは穂乃果の苦手な算数の宿題で、穂乃果は四葉の顔を見上げる
「ひぇ!よぅちゃん!」
「えー?」
四葉は苦笑しながら穂乃果の頭を撫でる
穂乃果は四葉の身体をガクガクと揺らして全力で算数への拒絶を示す
後家庭科の授業でも大体同じ反応を示す
兄が家庭的過ぎて千陽といい穂乃果といい、家庭科から物作りまでが壊滅的過ぎて、図工の授業で生み出された物体は未確認生物UMAと言われたほうがまだ信じられる物体だ
ちなみに夏休みの宿題は四葉全面協力の元提出されているのだが、ほぼネタは四葉なんだろうな…とは誰も言えないほどのクオリティである
それと、中学生の千陽は、家庭科か美術のどちらかを提出という夏休み冬休みの宿題があるのだが、どちらも壊滅的な千陽にとっては死刑宣告である
一年生の時の選択は家庭科にしたが、オーブンの中に生卵をそのまま入れて卵を爆破という古典的な事をやらかした
四葉は冷や汗と固まった笑顔のままオーブンの処理をして無言で最新オーブンを通販でポチッた…
それを見ていた千陽のクラスメイトの二人は、四葉の笑顔が固まったことに驚いたし、今後一切の家庭科でオーブン担当にはしないぞと心に決めた
まあそんなことは良いのだ
「おしえてよぉ!」
「じゃあ肩たたきお願いしますー」
「!まかせて!」
穂乃果は四葉から降りてわかる問題だけを先に解いていく
穂乃果の凄いところは、何故計算はできないのに千陽の解らなかった【証明】の問題はできるのか、という一点であるが、まだギリギリ小学生なので今は証明は無い
「うん、じゃあお兄ちゃんおやつ持ってくるから、ほぉちゃんはおじやね、薬あるから」
「おやつは!?」
「まだだぁめ、明日からね」
お薬飲もうね、そう言われた穂乃果は机に突っ伏した
「えーっ」
「穂乃夏、駄目だよ熱出てたのにィ」
「うわぁん!ひかちゃん食べたいぃ!」
柳崎燿は、四葉のいじめについて知る人間で、最初こそ四葉に会うのを渋っていたのだが、当人じゃないんだし、と四葉に言われてからはそれなりの頻度で家に訪れるようになった
少し言いたい事があるのだが、兄に自分から言うからと止められているのでとても歯がゆい
「明日からネー」
燿は穂乃果に抱き着かれてそのまま、おうおうと言いながら穂乃果の頭を撫でている
穂乃果の兄弟、女子に対するスキンシップの多さに最初全員が驚いたものだ
上二人とは随分と違う性格なのは、根が母だからなのだろう
「プリン食べる!」
「それならいいよぉ」
「!?いいの!?」
「うん、昨日作って千陽くんも食べてたし」
「ほんと!?食べる!」
「ふふっ」
四葉は作ったらしいプリンを器に盛ってフルーツを乗せた後穂乃果の前に置いてやる
千陽には内緒ね?と笑顔で言う四葉に穂乃果は満面の笑みで頷いたのだった…
千陽くんが引き起こした事件↓
①オーブンレンジ生卵爆破事件
②貯金箱?いいえ、ゾンビのような何かです
③愛鳥週間という名の化け物鳥週間の幕開け
④ハンバー…………スライム?
⑤図工なのに闇鍋してる魔女が爆誕
穂乃果ちゃんの起こした事件↓
①計算はできないけど証明はできるよっ
②卵かけご飯…に聳えるおどろおどろしいその物体は…‼‼?(サブタイ:四葉謎の腹痛で一週間入院)
③混ぜるな危険なのに色々混ぜて風呂に放置(知らずに入った四葉が救急搬送緊急入院)
④子供あるある、無邪気にマッドサイエンティストになって教師を気絶させる
みたいな感じ
四葉君はその点いい子
上記で何度か学校に呼び出されてるのも四葉君なので踏んだり蹴ったり