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#1 ネットの世界は現実ではない

オリジナルワードが出ますが大目に見てください……

すみません

『おつです』



そう打ち込んでいく



『おッ!!?サイちゃんいらっしゃいっ』



返信を送ってきたのは【クアルヴィン】という男性



男性と解っているのは以前オフ会をした時のトークがゲーム内で繰り広げられたからである



『お外あつかった~』



サイハと名乗ってコメントを打ち込んでゆく



リアルトークは嫌いだが、ゲーム内は楽しく話せる



引きこもりキャラ特有だと笑ってくれとは言い辛い…



『お?珍しいな』



クアルヴィンは誰にも優しく等しく平等に扱ってくれるギルドマスターで、実はサイハをこのゲームに誘ってくれた人間である



サイハとクアルヴィンはゲーム以外でも結構トークをしたりする仲で、ギルド内で唯一サイハとリアルで会ったことがある存在だ



『サブちゃんの方もいじった~』



サブちゃんとは、普段美少女のような少年キャラで回復役なサイハが気分転換に容赦なく周囲をKillしてしまうウサギ型アサシンで、一応レベルはカンスト



転職を進められるがアサシンが良いのだと言って変える気はないらしかった



『相変わらず会話がすれ違う~』



『サイハ~♡』



ただいまちゃ~ん、と打ち込んでくる相手にサイハの顔は明るくなる



何故なら、甘やかしてくれるから



『!!TAIRANTさんお疲れさまですお仕事終わりましたか?』



『現在職場なんだなぁ…』



通知が来て帰りたくなったから職場で自前のノートパソコンと持ち運び型Wi-Fiを繋いで操作を始めたのだそうだ



『あにゃ~…』



サボるだめ絶対、と送ると、今回は許してな、と返される



『で、さ、今度のオフ会の件なんだけどさ』



『あっ、不参加で…』



オフ会は基本泊まりで行われるものという事もあって、今の所サイハだけが参加をしていない



『だよなっけどさっき妹ちゃんから参加のメール来たからもしかして…とか思ってたんだよぉぉぉぉぉっ』



何故妹がやっているかと言うと、一応サイハ名義で妹用の可愛い魔法使いキャラが設けられている



サイハは、そのキャラを絶対に使わないので妹だと言われる



『TAIRANTってさ、サイハ至上主義よな』



猫可愛がりするし、と言われてしどろもどろになるTAIRANT



何故か甘やかして可愛がるのだ



サイハも、最初こそおっかなびっくりだったが、単純に兄弟ができたみたいで嬉しいのだと言われれば思うようにさせてあっげたいというのがサイハの思いだった



兄という存在に憧れがあったのは確かで、とても嬉しかったのだ…



『それなwwwwwww』



やかましくinしてきた者にinしている面々が反応する



『お?タコワサパイセン今終わり?乙~』



TAIRANTはそう送る



自分は仕事なのに、というと、俺は今日は本当は有給消化日だったけど呼び出されてお仕事してきたんですぅ、と返信される



哀れ、とinしている面々から返信が返ってくると、まあ仕方ないよ、と返って来る…



『あっ、御飯作ってくる~』



『あ、メニュー何にするの?』



『今日は妹がオムライスが良いって言ってたからオムライスとシーザーサラダとパン焼いたからパンと、父さん達は重いかなァって思ったからリゾットするよぉ~』



サイハが料理できる系男子なのは知っている



一応集団トークで写真が送られてきた事があるのだ



そして家族愛が凄いのだ



『良い子過ぎる』



俺の兄貴俺のこと見下してくるもん、そういうクアルヴィンに、働け、と送りつけるTAIRANTとタコワサ



まあクアルヴィンが働けないのは一応その兄が原因なのだが、兄は理解していないらしい



母親や父親にいくら言われても謝罪の一言もなく、いっそ感動にするぞと言われて渋々謝るようなクズ人間が兄であることをギルメンは全員知っている



以前兄が無断でゲームをしてギルメンから総説教されまくっていた記憶は誰の記憶からも絶対消えないだろう



『そぉだっ!!今度この間作ったフリーゲーム小説化するからTAIRANTさん楽しみにしててねっ』



『!!!!マジか!!!感謝するわまじっ』



サイハがそう送ってくるとTAIRANTはすぐに反応する



フリーゲームをするのが趣味で高性能高用量のゲームPCを購入したのだから



『じゃあボクそろそろ行くね~』



『お~…ってお前参加は!!!?』



『ぶり返すじゃんね…必死かwww』



必死な理由はわからないが、この中で誰よりもサイハに参加してほしいと切に願っている



TAIRANTの言葉はサイハには届かないのであった…

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