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お貴族ライフ

食堂へ向かう途中、私は両親について思いだしていた。

母親の名前はローゼリア・セルリーナ。性格は非常に温厚で誰にでも優しい人である。超絶美人で、社交界の華とも呼ばれている。(わたし)に激甘。

父親の名前はアルバート・セルリーナ。剣の達人で、頭も非常に良い。つまり文武両道、パーフェクトな人だ。こちらも母同様(わたし)に激甘。

激甘といっても、私にはきちんとした教育はさせてくれているし、むしろ徹底的に教えてくれる。それに応えるために私も精一杯の努力を重ねてきたため、同年代の子の中ではトップクラスに入るぐらいの実力はある。

ただ…私が成功した時の褒めようが異常なのである。失敗した時は、何が悪かったのか分析して事細かく教えてくれるが、それを成功させると

「「ティアちゃん凄い!さすがだ(わ)!今日はティアちゃんの好きなものなんでも買ってあげよう(るわよ)!!」」

…こんなことが日常茶飯事なのだ。最近は

「私はお父様とお母様の愛だけで充分ですわ!」

と断っているらしい。じゃなきゃ私の部屋が物で溢れてしまう。うまい躱しかたや…

その他にも私がボソッと言った独り言を叶えてくれたり…それも規模がでかいことまで。


両親の激甘っぷりに思わず苦笑していたら、ふと思ったことがあった。お父様とお母様が私に受けさせている教育を一つずつ思い出していたのだが、どうしても一つだけ思い出せないものがある。

礼儀作法、勉学、剣術、護衛術、ピアノ、ダンス、刺繍…なにか…なにかが思い出せない。ただわかるのは、‘‘そのこと’’がこの国ではかなり重要だということ。まるで記憶にぽっかり穴が空いたように思い出せない。

あれぇ?神様確か記憶は引き継がれるとか言ってなかったっけ?

‘‘そのこと’’以外にもいくつか生きてきた中で思い出せないことが多々ある。歩きながら、必死に思い出そうとする。しかし、なかなかに思い出せない。思い出したといえば、全く別のことだった。

あ、そういえば…引き出し見てない…重要なことはそこにあるって言っていたのに…見ればわかるのだろうか? 食事を済ましたら、必ず行こう。


食堂まであと少しだったので、私はそう結論づけて、部屋へと入った。


「おはようございます。お父様、お母様!」

「「おはよう、ティアちゃん」」


相変わらず息ぴったり。やはり恋愛結婚だからか。

大体の貴族は政略結婚だが、うちの両親は恋愛結婚なのだ。詳しくいうと、元は政略結婚だったが見事に2人とも恋に落ちたのだ。いいなぁ、私も恋愛結婚がいい。

前世の記憶もあるためか、私の恋愛に対する意識は非常に高いのだ。別に前世で一度も恋をしたことないだとか、そんなんじゃない。断じて違う。大事なことだから、二度言う。断じて違うからな!普通の乙女なら正常な考え方だ。うむ、そうだ!


考えつつも、運ばれてくる料理を口に運ぶ。…なんとも美味しいごはんなのだ。コルセットを毎朝つけるのは辛いが、こんな美味しい食事を食べれるならいいな。お貴族ライフ最高!!


両親と楽しく話しながら、私は次々出てくる料理を喜んで口にした。

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