物語の始まりは闘いの始まり
初投稿となります。拙い文章や表現が多いかと思いますが、温かい目で読んでくださると幸いです。なるべく早いペースでやっていきたいと思っています。(R-15は保険です)
「……ここ…何処…?」
目が覚めたら私は何もないただ延々と白が続く空間にいた。
私さっきまで何していたっけ?どうしてこんなところにいるんだろう?
必死に思い出そうとするが、思い出せたのは自分の名前が黒原美月、日本の17歳の女子高校生、重度の乙女ゲーム好きで、よくいろんなゲームをしていたことぐらいだ。そのほかのことは一切思い出せない。困惑した頭を抱えていたら、後ろからかわいらしい声が聞こえてきた。
『あ〜!ミヅキちゃん起きた〜?結構長く寝てたからちょっとびっくりしたよ〜』
グルンと勢いよく声のする方を向くと、少年が立っていた。
「あ、あなたは誰?」
『うーん?僕?そうだねぇ、君たちでいう神?みたいなものかな〜?』
「か、神…」
なんだろう、とてつもなく軽いノリで神とか言われても…イタイ奴にしか見えない…
『あ!今イタイ奴とか思ったでしょ!?僕一応偉いんだからね!!』
「え、あ、すいません?」
とっさに謝ってしまったが、なかなか信じがたい。
「神か神じゃないかは置いといて…ここは一体何処なんですか?」
『うーん、信じがたいかもしれないけど、ここはいわゆるあの世。君は死んでしまったんだ』
私が死んだ…?まじで!?
「まじで!?え、なんで死んだの!?」
興奮して敬語を忘れてしまったが、それよりももっと大事なことだ。
『聞く…?』
思わず唾を呑んでしまう。
「自分の死です。受け止めます」
『そう…君はゲームのしすぎで、ほぼ寝てる状態で階段登ってたら踏み外して頭を打ったんだ』
…ハイ?え、そんなことある?バカすぎやしないか?
「私、バカすぎる…」
『そうだね』
神様に肯定されるとは思わなかったぞ。
しばらくの沈黙の後少年が口を開いた。
『こんなに乙女ゲームが好きな人初めて見たんだ!そこで僕から特別にプレゼントを用意したんだ!』
「プ、プレゼント?」
自分の死に呆然としながら、少年の言葉を聞いた。
『そ!君は死ぬほど乙女ゲームが好きでしょ?だから!!』
「だ、だから…?」
『ジャジャーン!君を乙女ゲームの世界に転生させてあげる〜』
「 ま…まじで?」
『まじ〜』
「まじかぁぁああ!」
『結構いいプレゼントでしょ!』
「本当に神様だったのね!神様万歳!ごめん、本当にイタイだけの少年かと思ってた!」
『い、今僕が神だって認めたのね…』
何度乙女ゲームの世界に行きたいと思ったことやら!叶うはずのないことが叶う。それがどれほど嬉しいか。自分の死のショックを軽く超えてしまう。自分の死よりも嬉しいってやっぱり、重度の乙女ゲームオタクだ。そんな私を横目に神様が苦笑いして呟いた言葉は私の耳には入ってこなかった。
『興奮してるとこ悪いけど、今から軽く説明するよ〜』
「は!はい!何でしょう!」
『向こうの世界の君の名前はクリスティア・セルリーナ。セルリーナ公爵家の1人娘。年齢は10歳、婚約者がいるよ』
「こ、婚約者?誰ですか?」
『それは向こうに着くまでヒ ミ ツ☆』
バチーンと星が出そうなウインクをして言葉を続けた。いや、実際出てたな。
「基本的な記憶はもともとあるから作法とかの心配はしなくて大丈夫!君の記憶も引き継がれるから安心して!』
「な!なんと!」
『お!そろそろ迎えが来たみたい!もっと詳しい説明は君の机の引き出しに入ってるから!それじゃあ頑張ってねぇ〜!』
「神様!ありが…と…」
そこで私の意識は途切れた。