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奥州妖かし奇譚 第二部・憑神  作者: けせらせら
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 日常が再び動き出していた。

 弥勒骨仙人が倒れた後、波城みゆきはすぐに目を覚ました。

 きっと自分たちは、みゆきを救うことが出来たのだ。

 それなのに心の中には強い迷いが生まれている。

 自分は間違っていなかったのだろうか。正しいことが出来たのだろうか。

 その思いが心を占めている。

 あれから二日後、母からメールが届いていた。


『何かがあったから辞めるのではありません。何かをやるために辞めるのです。

私のことは心配いりません。あなたにしか出来ないことがあるように、私にしか出来ないこともあるのです。

 あなたはあなたの人生を生きなさい』


 母にしか出来ないこととはなんだろう?

 そして、自分の人生とはなんだろう?

 答えは見つからない。

 それならば、ただ、ただ強くならなければならない。

 その時のために。


   了


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